夕方に現れる迷惑な若者たち
私がコンビニで働き始めてしばらくしたころ、娘から「お母さんの働いているコンビニ、夕方になると若い人たちが来て、店内で迷惑行為をすることがあるらしいよ」という話を聞きました。普段は昼間のシフトに入ることが多かったため、私はそれを知りませんでした。
次の出勤日に店長へ尋ねると、実際に若い男性2人がたびたび店を訪れ、大声で騒いだり、商品を乱雑に扱ったりしているとのこと。
店長はすでに警察へ相談し、店の周辺を気にかけてもらうようお願いしていました。スタッフにも「危険を感じたら無理に対応せず、店長や警察へすぐに連絡するように」と伝えていたそうです。
ただ、2人が現れる時間は一定ではなく、これまでは短時間で立ち去ることも多かったため、警察の巡回時に居合わせることはありませんでした。
そこで私は、「しばらく夕方のシフトにも入りますよ。人数がいたほうが安心でしょう?」と店長に申し出ました。ちょうどそのころ、店では品出しや商品の入れ替えなどで夕方の時間帯にも人手が必要だったこともあり、店長も快く了承してくれました。
もちろん、私が2人を追い払おうというわけではありません。ほかのスタッフと一緒に働き、何かあれば店長や警察へ連絡できるようにするためでした。
そして、夕方のシフトに入ったある日のこと。店に若い男性2人が入ってきました。
商品を乱雑に扱う2人に注意すると
入店した2人は、大きな声で話しながら店内を歩き回っていました。私を見るなり、「今日の店員、おばさんじゃん」と笑っています。私は相手にせず仕事を続けました。
ところがしばらくすると、2人は販売中の雑誌を乱雑に扱ったり、商品を本来とは違う棚へ移したりし始めたのです。
一緒に働いていたスタッフの1人が、「商品なので、そういうことはやめてください」と声をかけると、「何? 文句あるの?」と強い口調で返してきました。
ほかのお客さまも不安そうに様子を見ています。そこで私も、「商品だけの問題じゃありません。ほかのお客さまの迷惑にもなっています。これ以上はやめてください」とはっきり伝えました。
すると2人は、私を見て挑発するように言いました。
「おばさんに何ができるんだよ」
「止められるもんなら、やってみな」
私はその言葉を聞き、静かに答えました。
「じゃあ、遠慮なく」
実は、店側もただ迷惑行為が起きるのを待っていたわけではありません。これまでの出来事について、日時や内容を記録し、防犯カメラの映像も確認。再び問題行動があったときにどう動くか、スタッフ同士であらかじめ役割を決めていたのです。
私が事前に決めていた手順通り店長へ連絡すると、同僚はすぐに警察へ通報しました。別の同僚もこれまでの記録を確認し、状況を説明できるよう動き始めました。
それまで強気だった2人は、店側が一斉に動き出したことに気付いたのか、急に出口へ向かいました。私は追いかけることはせず、出口へ向かう2人の特徴や服装を確認。防犯カメラにも、その日の行動はしっかり記録されていました。
「逃げても、今までのことまでなかったことにはならないよ」
私がそう声をかけると、2人は一瞬こちらを振り返ったものの、そのまま店を離れていきました。
警察が到着し、迷惑行為は収束
ほどなくして店長と警察官が到着。私たちは2人の特徴や立ち去った方向、これまでの迷惑行為について説明しました。すると間もなく、別の警察官が店の近くで2人を見つけたとの連絡が入ったのです。
後日、店長から2人が店側へ謝罪したと聞きました。それ以降、同じような迷惑行為をすることはなくなったそうです。
年齢を理由に軽く見られたことには腹も立ちましたが、相手の挑発に乗らず、店長や同僚と決めていた通りに動けたことには少し自信が持てました。
今も私は、顔なじみのお客さまと言葉を交わしながら働いています。年齢を理由に軽く見られたことには腹も立ちましたが、相手の挑発に乗らず、落ち着いて対応できたことには少し自信が持てました。
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年齢を理由に軽く見られたり、挑発的な態度を取られたりすると、つい感情的に言い返したくなることもあります。しかし今回、状況を動かしたのは強い言葉ではなく、店側が積み重ねていた記録と事前の備えでした。トラブルに直面したときこそ、相手のペースに乗らず、準備してきた手順に沿って冷静に動くことの強さを感じさせるエピソードでした。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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