義母に本音を伝えると
数年前、子どもたちが4歳と2歳だったころ、私たちは引っ越しを控えていました。義母は以前から何かと私たちを気にかけてくれていて、引っ越しの話をすると、「役に立つものがあるから」「昔から使っているものだから」と、食器や除雪用具など、いろいろなものを譲ろうとしてくれました。
けれど、私たちは新生活に向けて必要なものをすでにそろえていました。そのため、「お気持ちはうれしいのですが、大丈夫です」と、私はLINEで丁寧にお断りしていました。
それでも義母からの連絡は続き、「これは必要だと思うの」 「せっかく取っておいたのよ」 「昔、息子が使っていたものだから」 という言葉の連続に言葉を失いました。
義母が私たちのことを思ってくれているのはありがたく感じていました。ただ、新しい暮らしに必要なものは、自分たちで相談しながらそろえていきたいという気持ちもありました。断っても何度も勧められるうちに、私は少しずつ戸惑いを感じるようになっていきました。そして、再びお断りしたとき、思いもしないメッセージが届きました。
「人の善意を蔑ろにしないで」
その一文を見た瞬間、私は凍りつきました。 さらに義母は、こう続けました。
「息子はいつまでたっても私の子どもです。子どもに良くしようとするのが、いけないですか」
義母なりに、夫や孫のためを思ってのことなのだとは感じていました。息子を思う親心なのだということも理解しています。それでも、私たち夫婦の家庭に深く入り込まれているような気持ちになり、苦しくなったのです。悩んだ末、私は自分の気持ちを正直に伝えることにしました。
「お義母さん、いつも気にかけてくださるのはありがたいです。ただ、新しい生活については、できるだけ夫婦で相談しながら決めていきたいと思っています。少し見守ってもらえるとうれしいです」
とても勇気がいる言葉でした。
私の気持ちを伝えたものの、義母との間ですぐに折り合いがついたわけではありませんでした。そこで夫にも事情を話し、間に入ってもらうことにしました。
それ以降、義母とのやり取りは私が直接対応するのではなく、夫を通しておこなうようにしています。関係が劇的に改善したわけではありませんが、お互いに少し距離を取りながら付き合う形に落ち着きました。
この出来事を通して、私は「助けること」と「干渉すること」は違うのだと感じました。義母も夫や孫のために何かしてあげたいという気持ちから行動していたのだと思います。私もその気持ちを否定したかったわけではありません。ただ、結婚して家庭を持った以上、夫婦で考え、子どもたちと一緒に築いていく生活もあります。
家族だからこそ、近すぎるのではなく、お互いを尊重できる距離感が必要なのだと思いました。義母とは、今でも夫を通してやり取りをしており、穏やかな関係を保てています。
著者:依田 美子/30代女性/夫と7歳の娘、5歳の息子、0歳の娘の5人家族。医療従事者として目まぐるしい生活をしています。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年9月)
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