知人から勧められ、産後ケアを申し込むため市役所へ
Aさんは42歳で待望の第1子である娘を出産。通っていた産院では、宿泊型の産後ケア事業を実施していました。
体調や経過は良好でしたが、口コミも良く、知人からも「せっかくだから利用したほうがいいよ」と勧められていたため、「ぜひ利用してみたいな」と思ったAさん。ある日、話を聞くためにAさんは娘を抱っこして市役所を訪れたのです。
Aさんが窓口の女性に問い合わせると「担当の者を呼びますので、少々お待ちください。かわいい赤ちゃんですね。ずっと抱っこもきついでしょう。ベビーベッドの貸し出しもできますから、必要なときはいつでも声をかけてくださいね」とやさしく気づかってくれました。
しばらく待っていると、「お待たせしました」と言って現れたのは20代くらいに見える男性職員。むすっとした表情で椅子にどしんと座ります。Aさんは「高圧的で怖いな」と思いましたが、男性職員にサービスのことを尋ねました。
「高齢ママは要領が悪い」爪をカツカツ立て暴言
すると男性職員は
「はあ……、要するに、高齢出産なんかするからラクしたいってことですね」
とボソッと言うのです。耳を疑う発言にAさんは一瞬戸惑います。
男性職員は
「申し込みするんですよね? これに書いてください。あと母子手帳も出して」
と事務的に告げました。
娘を抱っこし、紙おむつや育児用ミルクなどで大荷物だったAさんは、母子手帳を出すのに手間取ってしまいます。すると男性はため息をつきながら「要領が悪いなあ」とつぶやくと、わざとテーブルにカツカツと爪を立てながら催促してくるのです。
さらに男性職員は
「これだから高齢ママは……。自分の年齢を考えて計画的に行動したらどうですか」
「他のお母さんたちはもっとパパッと書類も出すし、産後ケアなんて甘えずに自分で頑張っていますよ。税金を使ってラクをしようとするなんて甘いのでは」
と、信じられない暴言を次々と浴びせてきます。
怒りと悲しさでいっぱいになったAさんは、我慢の限界に達し、ついに反撃に出ます。
笑顔で毅然と反撃…慌てる職員…そして助け舟が
Aさんは
「え、機嫌悪いんですか? 荷物が多くて、もたついてしまったのはすみません。もしかしてお役所さまですか? すっごく嫌な態度ですよね」
と、わざと周囲に聞こえるように声を張り、ほほ笑みながら言い返したのです。
周りにいた他の市民や職員が一斉にこちらを振り返ります。男性職員は、一瞬面食らったような表情で、窓口には気まずい沈黙が流れました。男性職員は、顔を引きつらせながら「いや、そ、そんなことないです」と言います。まさかAさんから言い返されるとは思っていなかった様子です。
そのとき、隣の窓口で別件の対応をしていた年配の職員が、異常な空気に気付いて割って入ってきます。
「おい、何やっているんだ。聞いていたぞ。お前はとにかく窓口から下がれ」
と強い口調で男性職員を制すると、すぐに上司へ報告に向かいました。
奥から出てきた上司と年配の職員はAさんに深く謝罪し、手続きも別室で丁寧に進めてくれました。あの高圧的だった男性職員は、周囲の冷ややかな視線を浴び、顔を真っ赤にしてうつむいていました。
後日、上司から改めて丁寧な謝罪と「該当職員には厳正な処分を下しました」との報告連絡が入ったそうです。
まとめ
Aさんは一時的に深く傷ついたものの、周囲の職員の素早いフォローと適切な処分によって救われ、その後は産後ケアを利用し、心身を休めることができました。
産後ケアは、出産後の母親の心身のケアや育児の支援を目的とする公的な事業です。年齢を理由に非難されるものではなく、対象となる人が安心して相談・利用できる支援です。それにもかかわらず、支援を担う行政の窓口で、このような偏見に満ちた暴言を浴びせられることは、あってはならないを感じました。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:松下侑可/30代女性。娘と息子の育児に日々追われている。そろそろ本気で産後ダイエットを始めたいと思いつつ、食後の甘いものが辞められない。
イラスト:さくら
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年8月)
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