道案内から始まった世間話
道順を教えた後、おばあさんは「ありがとう」と何度も頭を下げ、そのまま世間話が始まりました。特に急いでいなかったので、ベンチに腰掛けておばあさんの話に耳を傾けていました。
しばらくすると、おばあさんは「あなたは子どもは?」と尋ねてきました。私は結婚しているのですが、事情があって子どもはいません。「実は…」と少し言葉をにごしながら、子どもはいないことを伝えました。
あなたみたいな人たちのせいで…
すると、おばあさんの表情が少し曇り、それまでの朗らかな口調が一変しました。「子どもは早く産んだほうが良いわよ」「子どもを産まないなんて信じられない」と、矢継ぎ早に言葉が飛んできます。さらに「あなたみたいな人たちのせいで日本は少子化で困っている」と、まるで私が少子化問題の張本人であるかのような言い方をされたのです。
突然の言葉のシャワーに戸惑い、胸がキュッと締め付けられました。見知らぬ人に、しかも個人的な事情をほとんど知らない人に、ここまで言われる筋合いはないと思いました。おばあさんの言葉は、まるで時代遅れの価値観を押し付けてくるようで、とても傷つきました。
自分の考えを押し付けないで!
たしかに、年配の方の中には少数派の意見や立場を理解しようとせず、自分の考えを押し付けてしまう方がいるかもしれません。しかし、おばあさんの言葉に反論したり、言い返したりする気にはなりませんでした。
おそらく、おばあさんにはおばあさんの人生があり、その中で培ってきた価値観があるのでしょう。それを頭ごなしに否定するのも違う気がしました。
まとめ
少し沈んだ気持ちで家路に着きましたが、この出来事をきっかけに、改めて「多様性」について考えさせられました。多様化が進む現代社会では、一人ひとりの事情や考え方を尊重し、理解しようと努めることが大切です。そして、私も誰かを傷つけるような発言は決してしたくない、相手の立場に立って物事を考えられる人間でありたいと、強く思いました。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:寿樹 雨天/30代女性・無職
イラスト/マキノ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年12月)
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