敷地に見知らぬ車…
夏休み真っただ中のある日のことです。夫と小3の次女は近くのプールへ、中1の長女は学校の補習授業へ、そして私はパートに出ていました。
長女は昼には帰宅する予定でした。お昼ご飯に間に合うよう、私は12時に仕事を終えるつもりだったのです。ところが、なかなか仕事が片付かず、タイムカードを押したのは12時45分。
「早く帰らないと!」
そう思いながら、ようやく家が見えてきたときのことです。
「ん? あれ、何?」
わが家の敷地内に、見たことのない車が停まっていたのです。ナンバーを見ると「所沢」。所沢に知り合いはいません。誰の車なのか、まったく見当がつきませんでした。
とりあえず、先に帰っていた長女を家の中から呼んで聞いてみました。
「この車、誰のか知ってる?」
すると長女は、「帰ってきたときは何も停まってなかったよ」と言います。
つまり、長女が帰宅した後に、誰かが勝手に停めたということ。家族の車でもなければ、約束していた来客でもありません。知らない人がわが家の敷地内に勝手に入ってきたのだと思うと、急に怖くなってきました。長女と2人きりだったこともあり、なおさらです。
怖さもありましたが、今後のためにも、車の持ち主に会って注意したほうがいいのだろうか……。そう思った私は、もし戻ってきてもすぐに出られないよう、車の前へ鍵をかけた自転車を2台並べて置きました。外は溶けそうなほど暑かったのですが、物音が聞こえるように窓も少し開けておくことに。
長女のお昼ご飯も作らなければなりません。この日の昼食はそうめんでした。鍋でめんをゆでながらも、気になるのは外の様子ばかり。「誰か来ていないかな」と、ゆでる音さえ邪魔に感じるほどでした。それでもなんとかネギを切り、そうめんを水でしめて、氷とめんつゆも用意しました。
もう一度、外を確認します。……まだ車があります。
そのとき、ふとあることを思い出しました。
「あれ? 今日、14時から歯医者じゃない?」
この日は、長女の歯医者を予約していたのです。もう、ゆっくり食べている時間はありません。そうめんを急いですすりながら時計を見ると、そろそろ家を出ないと遅刻してしまう時間になっていました。でも、車はまだそこにあります。本当は、警察に連絡しようかとも考えていました。ただ、予約の時間が迫っていて、その場では電話できないまま出かけることに。
正体が、ついに判明
歯医者からの帰り道、どうにも気になって夫に電話をかけました。すると、あっさり「ああ、それ〇〇さんの車だよ。近くに用事があるからって、うちに停めさせてって」との返事。
なんと、車の持ち主は夫の職場の人でした。しかも、普段からわが家によく来ている人だったのです。夫はちゃんと了承していたそうで、私だけが何も知らずに一人で警戒していたというわけでした。
事情がわかった瞬間、「警察に連絡しなくてよかった……」と、思わず力が抜けました。
とはいえ、こちらは見知らぬ車が突然敷地内に停まっていたので、かなり本気で警戒していたのです。夫が知っていたのなら、出かける前にひと言、私にも伝えておいてほしかったな、というのが正直な気持ちです。
警察に通報しようかと迷っていた相手が、まさかの知り合いだったとは。今になって思い返すと、少し笑えてきます。
ただ、知らない車が突然敷地内に停まっていたら、不安になってしまいます。夫には「誰かが家に車を停めるときは、ひと言教えてね」とお願いしました。この一件以来、家のことは小さなことでも、夫婦で情報を共有しておくことが大切だと感じています。
著者:寺迫麻美/40代女性/中1と小3の姉妹を育てる母。週5パート。趣味はライブに行くこと
イラスト:はたこ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年9月)
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