実家に贈った高級マンゴー…両親が食べられなかったワケ
私の祖父は農業を営んでおり、ぶどうや桃、すいかなど、季節ごとにたくさんの果物を育てていました。その影響もあってか、父は大のフルーツ好きです。舌も肥えていて、実家の食卓にはいつもおいしい果物が並んでいます。
そんな父が、以前から何度も「一度でいいから宮崎の高級マンゴーを食べてみたい」と話していました。普段から果物には詳しい父がそこまで言うなら、いつか必ず食べさせてあげたい。私はそう思っていました。
ある年の7月、子どもを連れて家族で宮崎へ旅行に行きました。立ち寄ったお店で立派なマンゴーを見つけ、1個7,000円と少し値は張りましたが、父宛にクール便で送ることにしました。喜ぶ父の顔を想像すると、私までうれしくなったのを覚えています。
旅行から戻った数日後、実家に帰省した際に母に「マンゴー、おいしかった?」と声をかけました。すると、母は少し困ったような表情を浮かべます。そして口ごもりながら、思いがけない事実を教えてくれたのです。
なんと、実家に遊びに来ていた兄の妻である義姉が、そのマンゴーを丸ごと持ち帰ってしまい、父の口にも母の口にも一口も入らなかったとのこと。
「え、お父さんもお母さんも全然食べてないってこと?」
私が聞き返すと、母は申し訳なさそうにうなずきました。
さらに話を聞くと、こうしたことは今回だけではなかったそうです。父宛てに届いたお中元やお歳暮のメロン、高級食材なども、義姉が「いただいていきますね」と言って、そのまま持ち帰ることが何度もあったといいます。
少しお裾分けをもらうならわかりますが、宛名のある贈り物を丸ごと持ち帰ってしまう気持ちが、私にはどうしても理解できません。せっかく父に喜んでほしくて送ったのにと、やりきれない思いでいっぱいになりました。
旅行の最終日に自分で買って帰り、実家で私がカットして、直接父へ渡せばよかった。そう強く後悔したものです。
この出来事があってから、実家へ特別な食べ物を宅配便で送ることはやめました。少し手間がかかっても、父に食べてもらいたいものは直接届けるか、一緒に食卓を囲むようにしています。あのマンゴーを食べてもらえなかったことは今でも残念ですが、次に特別な果物を見つけたときこそ、父と一緒に味わいたいと思っています。
著者:橋本結衣/30代女性/2児の母で会社員。週末にドラマを観るのが私の楽しみ
イラスト:はたこ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年8月)
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