仲の良かったご夫婦から突然の知らせ
「どうして離婚することになったのだろう」。知らせを聞いて真っ先にそう思ったのは、妻も同じでした。何か事情があるのかもしれないと思い、私たちは仲人をしてくれた夫婦のもとを訪ねることにしました。
夫婦は私のことを子ども同然に思ってくれていたようで、離婚を控えているにもかかわらず、2人そろって私たちを迎えてくれました。
そこで私は、ご主人に「どうして離婚をするのですか?」と尋ねました。返ってきたのは「一緒にいる意味がなくなったから」という言葉でした。
離婚しても「今までと同じ」
私は続けて、離婚した後はどこに住むのか、そして私たち夫婦との関係はどうなるのかを聞いてみました。すると、ご主人の答えは「今までと同じ」。妻も奥さまに同じことを尋ねましたが、返ってきた答えはご主人とまったく同じでした。離婚後も、2人はそれまでと同じ家に住み続けるというのです。
私はそれまで、離婚とは夫婦が互いを嫌いになり、別々の道を歩むためにするものだと思っていました。しかし、このご夫婦の場合は違いました。一緒にいる意味がなくなったから法律上の夫婦という形を終える。それでも、これまでの関係や暮らしまで大きく変えるわけではない。私にはとても意外な選択でした。
そして話を聞くうちに、仲人夫婦にとって今回の熟年離婚は、互いを嫌いになった結果ではなく、この先も嫌いにならないための選択なのだと感じました。
妻に聞かれた「離婚する気はある?」
この出来事をきっかけに、私は熟年離婚にもさまざまな形があることを知りました。すると後日、妻が私に「離婚する気はある?」と聞いてきたのです。本気で聞いているのか、冗談なのかはわかりませんでした。
そこで私は率直に、「お互いのことを嫌いにならないために離婚するって、すごいよね」と言いました。すると妻は、すぐに「うちは無理ね。とっくに嫌いだから」と返してきました。そのやりとりを聞いていた娘は思わず笑いました。私も娘の様子を見て少しホッとしていたのですが、そんな私を見た妻はイラッとした様子でした。
仲人を務めてくれた夫婦の熟年離婚を知り、私は自分たちの夫婦関係についても考えるようになりました。
まとめ
もっとも、わが家の場合は妻の「とっくに嫌いだから」というひと言が今も少々気になっています。娘が笑っていたからといって、安心してよかったのか……。夫婦の本音というものは、長年一緒に暮らしていても、なかなかわからないものだと感じた出来事でした。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:村上修一/50代男性・会社員
イラスト:sawawa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年8月)
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