彼女を両親に紹介することに
当時、僕には付き合って2年ほどになる彼女がいました。半同棲のような生活をしており、将来のことも少しずつ考えるようになっていたころです。
そろそろ両親にも彼女を紹介しようと思い、日曜日のお昼に実家で一緒に食事をすることになりました。
彼女も僕の両親も甘いものが好きだったため、せっかくなら手土産にスイーツを持っていこうという話に。当日の午前中に、彼女と一緒にデパ地下へ行き、人気のフルーツタルトを買うことにしました。
日曜日ということもあり、デパ地下は多くの人でにぎわっていました。お目当てのタルト店にも行列ができています。
「間に合うかな」
そんなことを話しながら列の様子を見ていた、そのときでした。
「何してるの!?」声をかけてきたのは…
突然、すぐ近くから大きな声が聞こえてきました。
「えぇ、何してるの!?」
驚いて振り向くと、そこにいたのはなんと僕の母。しかも母の手には、隣にあるチーズケーキ店の紙袋がありました。
僕も彼女もびっくりしましたが、母もかなり驚いた様子。話を聞くと、母も僕たちを迎えるためにスイーツを買いに来ていたとのことでした。
予想外の形で彼女と母の初対面になってしまいましたが、その後は予定どおり実家へ向かいました。
お昼にお寿司を食べたあと、テーブルにはフルーツタルトとチーズケーキがずらり。さすがに少し多かったものの、甘いものが好きな彼女と母は、スイーツの話ですっかり意気投合していました。
最初は「こんなところで会う!?」と驚きましたが、結果的には緊張もほぐれ、いいスタートになったように思います。
この日は、彼女と母が同じように甘いものを選び、楽しそうに話している姿を見て、どこか安心したのを覚えています。
思いがけない場所での初対面でしたが、好きなものが同じだったこともあり、かえって距離が縮まるきっかけになった出来事でした。
著者:野田竜太郎/30代男性・売れない演劇作家。趣味はサウナとトレッキング。料理が得意。
イラスト:sawawa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年10月)
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