つきまとい被害から助けたことをきっかけに、圭太は既婚であることを隠したままゆうきと関係を深め、一線を越えていました。夫の様子に違和感を覚えた凪は、圭太のスマホでゆうきと寄り添う写真を目にし、裏切りを知ってしまいます。深く傷つきながらも、娘の萌の前では母として気丈にふるまう凪でした。
やがて圭太は「1泊の出張」中、出張先でゆうきと落ち合います。最悪の想像を打ち消したい凪の願いもむなしく、2人の距離はさらに縮まっていくのでした。
一人で疑いを抱えきれなくなった凪は、ある夜、友人のA子に胸の内を打ち明けます。力になろうと尾行まで申し出てくれたA子。その言葉はありがたいはずなのに、凪の心はなぜか小さくざわつきます。
出張から戻った夫といつもの日常が戻るなか、凪はある違和感から、ついに夫の裏切りと正面から向き合うことになるのでした。
夫が出張先から帰ってきてわかった事実
夫の浮気を疑う凪に、友人のA子は「私が圭太くんの後をつけて証拠をとってくる」と尾行を申し出ていました。ただA子は「無理強いはしない」とも言い添え、知らないほうがよかったと思うこともあるからと、凪の気持ちを気づかいます。それでも凪は「でも私、事実を知りたい。はっきりさせたい」と、自分の意思をはっきり口にしました。
とはいえ、洗濯物を見上げながら「今の私に事実を受けとめる覚悟があるのだろうか」と、心はまだ揺れていたようです。
出張から戻った圭太は、娘の萌を抱き上げ、凪に土産を渡すなど、いつもと変わらぬ「良い夫、良い父親」の顔を見せます。ほんの少し前まで信じきっていたその姿を、凪は複雑な思いで見つめるほかありませんでした。
やがて凪は、圭太が持ち帰ったシャツに顔をうずめます。「やっぱり……!」——シャツからは、自分のものではない女性の香りがかすかに漂っていました。一度きりの過ちであってほしいという願いは崩れ、「圭太は私たちを裏切り続けている」という確信へと変わっていきます。
その夜、凪は寝室で眠る圭太のスマホにそっと手を伸ばします。ロックが解除された画面には、相手の女性から届いた大阪旅行のメッセージや、「大阪土産もありがとう」という一文が並んでいました。自分と同じ土産を相手にも渡していたと知り、凪の胸は静かにえぐられます。
眠る夫の顔を前に、凪は声にならない思いをこぼします。「あなたは家庭を壊すつもりはないのかもしれないけれど、私の気持ちはこんなに壊れてるよ……!」——確信に変わった裏切りを胸に抱えたまま、凪の長い夜は静かに更けていくのでした。
◇ ◇ ◇
知りたくない、けれど知らずにはいられない——疑いを抱えた心は、真実を確かめる怖さと、確かめないままでいる苦しさの間で揺れ続けるものなのでしょう。目の前の相手が変わらず穏やかであるほど、その落差はかえって胸に重くのしかかるものなのかもしれません。確信を得ることは、ときに救いではなく新たな痛みの始まりにもなります。それでも、あいまいなまま感情をすり減らすより、自分の目で確かめると決めることが、次の一歩を選ぶための土台になるのかもしれません。
もし自分が凪と同じ立場だったら、みなさんはどちらを選びますか?
おーちゃん