つきまとい被害から救ったことをきっかけに、圭太は既婚であることを隠したまま、ゆうきと関係を深めていました。夫のスマホで2人の写真を目にし、裏切りを知った凪。出張から戻った夫のシャツに残る香りや、相手の女性にも同じ土産を渡していた事実から、関係が今も続いていると確信します。友人のA子に胸の内を打ち明けると、A子は証拠をつかむための尾行を申し出てくれました。
一方、ゆうきは、恋人らしいデートをしたいと圭太に伝えます。日曜日は凪とマイホームの内見を予定していた圭太は、接待ゴルフだとうそをつき、代わりに土曜日に早退するから映画に行こうと提案。「俺が会いたいんだよ」という言葉に、ゆうきは胸を弾ませていました。
迎えた土曜日、帰りが遅くなるかもしれないと告げて家を出た圭太。凪から話を聞いたA子は、会社の近くで張り込み、定時よりずっと早く退社した圭太の後を追って、住宅街のアパートにたどり着きます。A子から、圭太が早退して相手の女性の部屋にいると知らされた凪は、大きな衝撃を受けながらも「場所を教えて」と答え、真実と向き合う覚悟を決めたのでした。
娘の萌を母に預け、A子の待つアパートへと向かった凪が目にしたものとは……。
手をつないで現れた2人の前で、私が告げたひと言
凪は娘の萌を連れて実家を訪ね、急で申し訳ないけれどこの子を預かってほしいと母に頼みました。ただならぬ様子を感じ取ったのか、母は「何かあった?」と尋ねますが、凪は「急用で……」と言葉を濁すことしかできません。母は何も聞かずに萌を引き受け、「ママ」と手を伸ばす萌を抱きながら、心配そうに娘を見送りました。
車を走らせながら、凪は不思議と落ち着いている自分に気づきます。そばにA子がいてくれることが、何より心強かったからです。アパートの前で合流すると、休日に巻き込んだことをわびる凪に、「いいのよ」とA子。突撃するかと問われた凪は、2人が出てくるのを待つと答え、A子もそれに付き合ってくれることになりました。
午後7時、部屋のドアが開き、圭太とゆうきが姿を現しました。映画の上映時間を確かめ合い、ゆうきの手料理の話で笑い合う2人の姿に、凪は息をのみます。手をつないで階段を下りてきた2人の前に、凪とA子は立ちはだかりました。
凪の姿を目にした圭太は、言葉を失ったように立ち尽くします。凪の方は、胸の中で「よくも私を裏切って」という思いがこみ上げていました。事情がのみこめない様子で「どちらさまですか?」と尋ねるゆうきに、凪は静かに「圭太の妻です」と告げました。その一言に、ゆうきは「え……」と声を漏らし、その場に凍りついたのです。
◇ ◇ ◇
2つの関係をうまく保っているつもりでも、うそで取り繕った日常は、思いもよらない形で崩れてしまうことがあるのでしょう。うそをつく側は、隠し通せれば誰も傷つかないと考えがちなのかもしれませんが、ひとたび明らかになったとき、信じていた分だけ、裏切られた側が受ける痛みは計り知れないものになるはずです。自分の選択の先に誰がいて、その人の日常をどれほど揺るがすのか。立ち止まってそれを想像することが、大切なのではないでしょうか。
おーちゃん
