高級時計店で同級生と再会
その日、高級時計店を訪れた僕。店内でショーケースを眺めていると、店員の男性が近づいてきたのですが……顔を見て思わず驚きました。中学時代の同級生、A男だったのです。
「久しぶり。ここで働いてたんだ」と声をかけると、A男は僕をじろじろと見たあと、ニヤリと笑いました。
「お前、何しに来たの?」
「時計を買いに来たんだけど」
「は? お前が?」
学生時代からA男は、人を見下すようなところがありました。大人になっても、その性格は変わっていないようです。
暴言を吐かれ店を出ることに
僕がショーケースに目を向けると、A男は鼻で笑って「勘違いすんなよ。お前みたいなのが買える店じゃねえんだよ。ここは高級店なんだぞ」と言い放ちました。
僕が「買うつもりで来たんだけど」と伝えても、「無理すんなって。冷やかしならさっさと帰れよ」と、まったく取り合いません。
さらにA男は、「お前みたいな貧乏くさい客がウロウロしてると、店の品が下がるんだよ」と吐き捨てたのです。
さすがに腹が立ち、こんな相手から時計を買う気にはなれず……僕は「わかった。もういいよ」と告げ、店を出ました。
予約名を見て大慌て!?
その少しあと、別のスタッフが売り場に戻ってきたそうです。
僕は事前にそのスタッフと電話で相談しており、希望していた時計が入荷したため、その日に商品を見せてもらう約束をしていました。
スタッフから「予約のお客様、もういらっしゃいましたか?」と聞かれたA男は、「知らない」と答えたそうです。しかし、予約していた客の名前を確認した瞬間、A男は大慌て。
ついさっきA男が追い返した僕こそ、予約客だったからです。
事情を知った責任者は、すぐに僕へ電話をかけてきました。そして「本日は大変申し訳ございませんでした。よろしければ、改めて商品をご案内させていただけないでしょうか」と丁寧に謝罪してくれたのです。
しかし、僕は「お店そのものを悪く思っているわけではありません。でも、今日はもう時計を選ぶ気にはなれなくて……」と断ることに。責任者は「ごもっともです」と受け止めてくれました。
人を見下したA男のその後
後日、別の店を訪れた僕。店員さんから時計の特徴や使い方を丁寧に説明してもらい、納得できる一本を購入することができました。
一方、A男の接客については店側で問題になったそうです。責任者から厳重に注意され、接客について改めて指導を受けることになったと聞きました。
A男は、高級時計を扱ううちに、自分まで偉くなったと勘違いしていたのかもしれません。人を勝手に値踏みして見下した結果、信用を失ったのはA男自身でした。
今では、新しい時計を見るたび、納得できる一本を選べてよかったと思っています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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