真吾さんから「助け合って生活できる気がしない」と言われた萌香。それでも「家事だってやればできる」と反発すると、真吾さんから「お試し同棲してみる?」と提案されます。
同棲への期待に浮かれる萌香でしたが、ママがいない今、自分からパパに話さなければいけないことに気づきます。反対されることを恐れた萌香は、「自分もママみたいに黙って家を出ればいい」と考え、律郎にパパのサポートを押しつけようとします。
しかし律郎は、「弟をスケープゴートにして自分だけ逃げる気?」と即拒否。さらに、来年の就職で自分も家を出る可能性があると話します。このままではパパが一人になるかもしれないと気づいたところで、律郎は「ちょっと気になることがある」と切り出して……。
自分たちの知らない何かを、隣人は知っている……?















律郎は、近所に住む梅村さんからママのことを聞かれたと萌香に話します。梅村さんは、最近ママの姿を見かけないことや、ゴミ捨てをパパがしていることを気にしている様子でした。
動揺した律郎は、とっさに「母は仕事で県外に行っている」と説明。しかし梅村さんは、「そう、おかしいわね……」と意味深につぶやき、ママと連絡が取れているのか、パパの様子はどうなのかと尋ねてきます。その話を聞いた萌香は、ママと梅村さんが昔から親しかったことを思い出します。梅村さんの夫が亡くなったとき、ママがずっと寄り添っていた記憶もよみがえりました。
梅村さんは結局、何も話さないまま慌てて帰ってしまったとのこと。萌香は、梅村さんが自分たちの知らない何かを知っているのではないかと、違和感を覚えるのでした。
◇ ◇ ◇
家族だからこそ何でも話せる、と思いたくなることがありますよね。けれど実際には、近い存在だからこそ言いづらいこともあるのかもしれません。「どうして自分たちには話してくれなかったの?」と考えるのではなく、「自分たちには言えない空気を作っていなかったかな」と振り返ることが大切ではないでしょうか。
悩みを話しても否定される、迷惑そうにされる、どうせわかってもらえない。そう感じさせてしまっていたなら、相手は少しずつ本音をしまい込んでしまいます。身近な人の沈黙を責めるのではなく、その沈黙の背景にあったものにも目を向けたいですね。
紙屋束実
