名前を書いても食べてしまう義父
義父は、リビングのテーブルに食べ物が置いてあると、自分のものかどうか確認せず、気の向くままに食べてしまいます。
それだけではありません。義実家に遊びに行ったとき用に、子どもの名前を書いて戸棚に取り置きしていたお菓子や、私が楽しみにして箱にしまっていたものまで食べてしまうのです。名前を書いておいても、そもそも確認しないため効果はありませんでした。
「お義父さん、それ子どものですから食べないでください」
そう伝えても、返ってくるのは「おう、そうか」という気のない返事。子どもが「食べたかったのに!」と泣いても、義父の様子は変わりませんでした。
夫も幼いころから何度も注意してきたそうで、義母も「食べてはダメ」と繰り返し伝えてきました。それでも改善せず、義母からはとうとう「申し訳ないんだけど、本当に大切なものは自分の部屋に置いてね」と言われるほど。
家族もいつしか、「また食べられたか」と諦めるようになっていました。
3歳の誕生日、冷蔵庫を開けた義父が…
そんな義父が、娘の3歳の誕生日にまでやらかしてしまいました。
家族みんなで誕生日会の準備をしていたときのこと。在宅ワークを終えた義父が部屋から出てくると、テーブルに並べていたごちそうを手づかみで食べ始めました。
さらに、ビールを取ろうと冷蔵庫を開けた義父。その目に入ったのは、娘が楽しみにしていたイチゴのホールケーキでした。
嫌な予感がした次の瞬間、義父はためらうことなくケーキの側面を指ですくい、そのまま口へ。さらに手を伸ばそうとしたため、私は「お義父さん! それ、娘の誕生日ケーキです!」と慌てて止めました。しかし、すでにケーキの一部は大きく崩れていました。
ダイニングに入ってきた娘は、ケーキを見るなり、「え、じいじなんで食べちゃうの!」と驚きました。そして、「最初にろうそくフーッてして、私が食べたかったのに……」と、涙を流しながら静かに泣き始めました。
私が事情を伝えると、義父は、「え、お前今日誕生日だったのか! 早く食べないのが悪いんだろ〜。置いてあると俺が食べちゃうからなぁ」と笑っていたのです。
娘がこんなに悲しんでいるのに、どうしてそんなふうに笑えるのだろう……。私は悔しさと怒りで言葉を失いました。
誕生日会のあと、義父にも変化が…
その日のケーキは義父が食べた部分だけ切り取り、予定どおりお祝いしました。
誕生日会が終わったあと、義母は義父を「さすがに今回は笑いごとじゃない」と厳しく叱ったそうです。義父も娘に「ごめんな。じいじが悪かった」と謝ってくれました。
しかし、娘の悲しそうな様子がどうしても心に残り、翌日、夫と私と娘の3人でもう一度お祝いすることに。
改めて娘の好きなケーキを買い、テラスに机と椅子を出して食べました。すると娘は、「じいじに邪魔されなくてうれしい!」と笑顔を見せてくれました。
義父が娘にきちんと謝ってくれたことで、私も少し気持ちが落ち着きました。ただ、これまで何度注意しても同じことがあったため、今でも「大切な食べ物は自分の部屋に置く」という対策は続けています。これからは娘に同じような悲しい思いをさせないよう、私たちも気をつけていきたいと思っています。
◇ ◇ ◇
何度注意しても同じことが繰り返されると、家族も対応に困ってしまいますよね。今回のように、子どもの大切なお祝いにまで影響が出る場合は、食べ物の保管場所を工夫するだけでなく、お祝いする場所や方法を見直すのも一つの選択肢です。
相手に理解を求めることも大切ですが、何より子どもの楽しみや気持ちを守ることを優先したいですね。
著者:榊原京子/30代女性。2021年生まれ、2025年生まれの娘、夫の4人暮らし。作業療法士として医療現場で7年間勤務後、出産を機に退職。現在は在宅で仕事に取り組んでいる。個性的な義両親に毎日悩んでいる。
イラスト:おはな
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年9月)