「ええ〜、別のにしてよ」
ある日、仕事を終えて急いで帰宅しました。洗濯物を取り込み、お米を炊いて夕飯の支度をしていました。子どもを塾へ送る時間までに食べさせようと、時計を見ながら肉じゃがを作っていました。
頭の中は、「あと何分で炊ける」「食べ終わったら塾へ送らないと」「帰ってきたらお風呂も済ませよう」と、次にやることでいっぱい。気付けば座る時間もなく、帰宅してからずっと動きっぱなしでした。
ようやく料理を食卓に並べ、「今日は肉じゃがだよ」と声をかけると、返ってきたのは「ええ〜、別のにしてよ」のひと言。その瞬間、「毎日仕事から帰ってきて、急いで作っているのに!」と、大きな声を出してしまいました。
子どもたちは何も言わず席に座り、さっきまで慌ただしかった家の中が急に静まり返りました。
更年期に加え、頑張りすぎも重なっていた
塾へ送る車の中でも、帰宅してからも、「あんなに怒ることじゃなかった」と何度も考えました。更年期障害と診断されて通院していたので、気持ちが不安定になることがあるのは知っていました。それでも感情を抑えられなかった自分が情けなく、「母親なのに」「もっと穏やかでいたいのに」と、自分を責めてばかりいました。
でも、冷静になって振り返ると、更年期だけが原因ではなかったように思います。仕事をして、家事をして、3人の子どもそれぞれの予定を把握し、時間に追われる毎日。「ちゃんとやらなきゃ」という気持ちが強すぎて、自らを追い込んでいました。
完璧を手放して見つけた心の余裕
あの日をきっかけに、「全部を私ひとりでやらなくてもいい」と考えるようになりました。
疲れた日は、お総菜を食卓に並べることもあります。最初は少し罪悪感がありましたが、子どもたちは「今日はこれなんだね」と普通に食べてくれました。味が変わるのがうれしいようで、私が思うほど気にしていませんでした。
掃除も毎日すべて終わらせようとせず、平日は気になるところだけ。時間のかかる掃除は、週末に家族で分担するようにしました。夫にも「これお願い」と頼めるようになり、ひとりで抱え込むことが減りました。
多少行き届かないところがあっても、気にしすぎないようにしています。悩まされていた更年期の症状がなくなったわけではありません。でも、「頑張りすぎなくても家はちゃんと回る」と思えるようになってから、少しずつ気持ちに余裕が戻りました。
今でも肉じゃがを作るたび、あの日の出来事を思い出します。あのひと言はつらかったものの、自分の頑張り方を見直すきっかけになりました。
まとめ
更年期と子育て、仕事が重なった時期は、毎日をこなすだけで精いっぱいでした。振り返ると、「母親だから」と何でもひとりで頑張ろうとしていましたが、お総菜に頼る日があってもいい、掃除は無理をしなくてもいい、家族に手伝ってもらってもいいと考え方を少し変えただけで、気持ちはずいぶんラクになりました。
今は完璧を目指すより、家族みんなで生活を回していくことを大切にしています。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:伊達敦子/50代女性。2008年、2010年、2012年生まれの3児の母。フルタイムで共働きをしながら子育て中。会社員の傍ら、化粧品検定2級・1級やコスメコンシェルジュの資格を取得し、人々の美しさと自信を引き出すために活動している。
イラスト:エェコ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年8月)
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