私は、妊娠と同時に子宮内膜症の1つである「チョコレート嚢胞(のうほう)」と診断されました。夫婦で病気について調べると「不妊」や「手術」など不安になる言葉が並んでおり、なにより無事に赤ちゃんが成長してくれるのかと心配な日々を過ごしたのですが、無事わが子と会えました。私が体験したチョコレート嚢胞の経過についてご紹介したいと思います。
妊娠と同時にチョコレート嚢胞の診断
私は、もともと生理痛がひどかったのですが、特に病院を受診したことはありませんでした。妊娠検査薬で陽性反応が出たため産婦人科を受診すると、先生から「生理のときに下腹部の痛みがきつくない?」と聞かれました。
そして、両側の卵巣の腫れを指摘され、6cm大のチョコレート嚢胞があるということがわかり、場合によっては手術の必要性があると告げられたのです。私は、妊娠確定後に病気の診断をされ、無事これから赤ちゃんが大きくなるのだろうか?という不安を抱えて帰宅することになりました。
おなかが大きくなるにつれ痛みも大きく
私たち夫婦の不安をよそに赤ちゃんは順調に成長していたのですが、妊娠4カ月に入り左の下腹部に圧迫されるような痛みが生じ、続くようになりました。私も最初は痛みを我慢していたのですが、徐々に痛くなる頻度や強さが増えてきたため、定期健診とは別にかかりつけ医を受診することに。
痛みの原因は「子宮が大きくなっているため」で、卵巣の腫れは変わりなく子宮に圧迫されている状態。翌月の定期健診では、卵巣のチョコレート嚢胞も自然と小さくなっており、破裂の可能性も低くなったと言われましたが、それでも私も夫も出産を終えるまでは不安な日々を過ごしたのです。
お医者さんから教わった3つのアドバイス
私の不安な気持ちを察してくれたのか、先生から受診を考える3つのアドバイスをいただきました。
①生理痛が強い方は早めに婦人科を受診すること
②妊娠中に不安を感じる場合にも気軽に受診すること
③痛みによるストレスを感じたら我慢せずに相談したり受診したりすること
私も生理痛が強かったのですが、受診することなく過ごしており、結果的に6cmまでチョコレート嚢胞が大きくなってしまいました。母親がストレスや痛み我慢することは母子ともに悪影響になる可能性があるそうなので、抱え込まないことが大切だと感じました。
出産時には、必要以上にチョコレート嚢胞が成長せず私は無事にわが子を迎えることができました。しかし、チョコレート嚢胞は生理の再開と共に再び大きくなるようで、定期検査にこれからも通う予定です。私も今後の経過次第で薬物療法や手術療法の適応を検討しなければなりません。特に生理が再開してからは、痛みが強い場合には早めの受診を心がけていくつもりです。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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イラスト/sawawa
監修/助産師REIKO
著者:大世渡恵理
2児の母であり看護師。義父の中距離介護でダブルケアの経験もあり。子育て、介護・医療、女性の健康などのテーマで執筆活動中。