さらに、近所に住む義両親のサポートも私に丸投げの状態でした。義両親は最近、体調を崩しがちで、家の中も荒れ始めていたため、私は息子を連れて週末ごとに義実家へ通い、掃除や身の回りの世話をしていました。
その中で、義両親がカードローンや不審な投資話に手を出して多額の借金を抱えていることが発覚したのです。
夫に相談しようとしましたが、私が督促状についての話を切り出すと「面倒な話はやめてくれ」と、すぐに席を立たれてしまい……。金額を伝えようとしても、「長男の嫁なんだからうまくやってくれ」の一点張り。そのうち私は、夫に話すこと自体をあきらめてしまいました。夫が義実家に顔を出さなくなって、もう1年以上がたっていました。
夫の不倫発覚! さらに追い打ちが…
そんなある日、買い物の途中で夫が若い女性と腕を組んで歩いているのを目撃してしまいました。その夜、帰宅した夫を問い詰めると、悪びれる様子もなく「2年前から付き合っている恋人だ」と開き直ったのです。
相手の女性に会わせるよう要求しましたが、「彼女は最近体調が悪いから」と断られました。それから数日後、夫から「彼女の妊娠がわかった。彼女と結婚するから離婚してほしい。あいつ(息子)も中3だし、父親がいなくても大丈夫だろ」と言い放たれたのです。
さらに夫は、彼女はアルバイト生活で稼ぎが少なく、養ってあげたいのだと言います。私は、あまりの身勝手さにあきれ果てました。
2年も裏切られていたこと、息子を「あいつ」と呼んだこと、そして相手の女性を養うと言い出したこと。そのどれもに、私はもう何ひとつ期待が持てなくなりました。この人と暮らし続けても、義実家のことも息子の未来のことも、私がひとりで抱えていくだけだと思ったのです。
私は少し考えてから「わかりました。お幸せに」と離婚を受け入れました。
息子からの意味深な発言
数日後、夫は息子に今後のことを話しました。ここ数日の私の様子を見て心配していた息子に対し、夫は息子の意向も聞かず、離婚後は私と暮らすよう一方的に告げました。
「母さんとは離婚するから」
「お前は母さんと暮らしてくれ」
一方的に別れを告げる夫に対し、息子は予想外の言葉を返しました。
「何言ってんの?」
「お父さんは離婚できないよ」
思っていた反応ではなかったのか、「生意気言うな! 黙って俺の言うことを聞け」などと、むきになる夫。もちろん、息子が言ったのは、法的に離婚できないという意味ではありません。息子が言いたかったのは、夫が私なしでは義実家の問題に対応できないだろう、ということ。どちらが子どもかわからないような会話に、私は頭を抱えました。
すると息子は、夫に冷ややかな視線を向けて言いました。
「俺はお母さんがそれでいいなら、別にお父さんたちが離婚してもいいよ。けど、お父さんはお母さんがいないと破滅するんじゃない? 最近、おじいちゃんたちの家に行ったことあるの?」
私が義実家で大量の督促状を整理し、要介護認定の準備に奔走していた姿を、息子はずっとそばで見ていたのです。義実家の状況を何も把握していない夫に対し、息子は一度自分で確認しに行くよう勧めました。
夫に突きつけられた現実
翌朝、義実家に顔を出した夫は、顔面蒼白になって帰ってきました。借金の督促状の山と、生活が荒れ始めた義両親の姿を目の当たりにしたのです。
「やっぱり別れたくない。俺ひとりじゃ親の面倒見きれない!」
昨日まで不倫相手との再婚に浮かれていた夫は、一転して離婚話を撤回したいと言い出しました。しかし、義両親のことは、もともと夫が向き合うべき問題。それを、私がずっと肩代わりしていただけです。私が家を出れば、義両親の生活支援や介護について、夫自身が向き合わなければなりません。そこに新しい妻と生まれてくる子どもの生活が加わることに、夫はようやく気づいたようでした。
しかし、私は「自業自得でしょ。親の面倒はあなたがきちんと向き合ってください」と一蹴。私の欄だけを記入した離婚届を突きつけました。
その後は弁護士に間に入ってもらい、息子の親権や居所、養育費についても話し合いました。必要事項を整えて離婚届を提出し、離婚が成立しました。夫が2年前からの交際を認めていたことなどを踏まえ、弁護士を介して慰謝料の支払いについて合意しました。
離婚成立後、私と息子はすぐに新居へ引っ越しました。受験を控えた時期の転居でしたが、息子は「静かに勉強できるほうがいい」と言い、無事に志望校へ合格しました。
一方、元夫は不倫相手と再婚し、元夫の両親と同居を始めました。それから1年ほどたったころ、共通の知人から、彼女が子どもを連れて家を出たと聞きました。
元夫や義実家のトラブルから解放された今は、息子と2人で穏やかな毎日を送っています。
◇ ◇ ◇
家庭の問題から目を背け、面倒なことをすべてパートナーに押しつけていると、いざというときに自分が追い詰められることになります。失ってから自分の身勝手さに気づいても、壊れた関係を修復することは困難です。理不尽な要求や裏切りに直面したら、情に流されることなく冷静に状況を見極め、自分と子どもの生活を守るための決断を下したいですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※一部にAI生成画像を使用しています。