娘と買い物をしていると…元カノに遭遇
ある日、妻は大学の同窓会に出かける予定がありました。
僕と妻は同じ大学の同級生。当時はお互い面識がなかったものの、社会人になってから思いがけず再会し、交際、結婚に至りました。僕は、大学を中退してしまったこともあり、知り合いが多くないため同窓会は欠席しました。
妻が同窓会に出かけている間、娘の誕生日が近かったこともあり、一緒にプレゼントを買いに出かけることに。向かったのは、都内にある少し高価な子ども服ブランドの路面店です。娘と手を繋いで店の前に差し掛かったとき、ちょうど店に入ろうとしていた男女の姿が目に入りました。すると、「あれ…?」と突然女性から声をかけられたのです。
振り返ると、そこにいたのは大学時代の元カノで……。さらに彼女の隣には、僕と別れたあとに彼女と交際を始めた元同級生の姿も。2人はその後結婚したと、共通の知人から聞いていました。彼らは当時、大学を中退してアルバイトに明け暮れる僕に「暗い話は苦手だから」と言って距離を置き、離れていった人たちです。
久しぶりの再会にもかかわらず、元カノはあいさつもそこそこに、海外旅行などの話を持ち出し、自分たちの華やかな暮らしぶりをアピールしてきました。そして僕の姿をじろじろと見ると、
「高卒は、こんな高級店で買うのは無理でしょ(笑)」
と鼻で笑ったのです。彼女の夫となった元同級生も、「パパのお財布には厳しいんじゃない?」
とにやにやしながら同調してきました。
店員が声をかけたのは
娘が不安そうに僕の手を握ったそのとき、店のドアが開き、店員が出てきました。
元カノは自分たちが出迎えられたのだと思ったのか、得意げな顔をして一歩前に出ました。しかし店員は僕と娘の姿に気づくと、すぐにこちらへ歩み寄り
「お待ちしておりました。本日はご予約ありがとうございます」
と、僕たちに向かって深くお辞儀をしたのです。
僕は年に数回、娘の特別な日の服をこのブランドで購入しています。今回は娘の誕生日プレゼントを選ぶため、ゆっくり試着できるよう事前に個室を予約していました。
そのまま店員に案内され、店内へと入っていく僕たち。振り返ると、元カノたちは「えっ!?」と青ざめたまま、こちらを見ていました。
同窓会の会場へ行くと…
その日の夜、同窓会から帰る妻を車で迎えに行きました。会場に着くと、エントランスで妻と話していたのは、なんと昼間に僕を見下してきた元同級生でした。
どうやら彼は、元カノと一緒に遅れて同窓会に参加したようです。
僕が車から、妻に声をかけると……元同級生は「え…なんで?」と動揺。彼は、僕と妻が結婚していたことまでは知らなかったようです。
帰りの車中で妻に話を聞くと、彼は同窓会で妻に熱心に話しかけていたとのこと。近況を尋ねられた妻が、「夫がゲーム会社の代表をしていて忙しいから…今は家庭を優先しているの」と答えると、彼は驚いた表情を浮かべていたそうです。
そして同窓会が終わり、妻を迎えに来た僕の姿を見て、ようやくすべてがつながったのでしょう。昼間に見下していた僕が、妻の話していた「ゲーム会社の代表をしている夫」だと知り、元同級生は言葉を失っていました。
変わらない元カノと同級生
後日、共通の知人から聞いたところ、元カノと元同級生は、同窓会でも自分たちの仕事や暮らしぶりを自慢するような話をしていたそうで……。同窓会では、2人の自慢話に、周囲の人たちはうんざりしていたよう。
その話を聞き、僕は昼間の出来事を思い出しました。大学を中退したというだけで僕を見下してきた2人は、年月が経っても、肩書や経済状況で人を判断するところはあまり変わっていなかったのかもしれません。
一方、僕自身も大学を中退してから、ここまで順調に歩んできたわけではありません。苦しい時期や思うようにいかないこともたくさんありました。それでも諦めず、妻に支えてもらいながら1つひとつ積み重ねてきた結果、今があります。
だからこそ、学歴や肩書だけで人の価値は決められないと、改めて感じました。これからも周囲と比べるのではなく、いつも僕を信じて応援してくれる妻と、愛する娘を何よりも大切にしながら、誠実に仕事に向き合っていきたいと思っています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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