まずご紹介するのは、高校を途中で辞めた経歴を理由に、同僚から何度も嫌みを言われていた女性のお話です。ある日、社内BBQへ向かう途中、高速道路のサービスエリアでまさかの行動を取られて……。
「中卒は空気読めない?」学歴で見下す同僚
私は高校を途中で辞めています。当時は学校生活が自分に合わないと感じていましたが、その後は海外で学び直し、帰国後に今の会社へ入社しました。
地方支社での仕事を評価され、本社へ異動したばかりのころ、やたらと絡んでくる同僚がいました。有名大学を卒業したA山さんです。
最初は感じよく接してくれていたのですが、私が高校を途中で辞めたと知った途端、態度が変わりました。二人きりになると、「本社に中卒がいるんだ」「学歴コンプレックスって大変そう」と、学歴を理由に嫌みを言ってくるようになったのです。
ところがA山さんは、上司の前では私を褒め、良い同僚であるかのように振る舞っていました。
もちろん、A山さんにこれまでの経歴をきちんと説明することもできました。ただ、何を言っても別の理由で見下してくるだろうと思い、できるだけ距離を置いていたのですが……。
社内BBQへ向かう途中で…
そんな中、連休中に社内BBQが開かれることになりました。当日は数台の車に分かれて会場へ向かうことになり、自宅の方面が同じだった私はA山さんの車に乗ることに。
しかし車内でも、「役員も来るのに、よく普通に参加できるよね」「空気を読むのは中卒には難しいか」と、A山さんは嫌みを繰り返してきたのです。
途中、高速道路のサービスエリアで休憩することになり、私はトイレへ。急いで駐車場へ戻ると、A山さんの車が見当たりません。
スマホを確認すると、A山さんから、「先に出発します。高速バスのバス停があるから、空気を読んで帰ってね」という内容のメッセージが届いていて……。まさか高速道路のサービスエリアへ置き去りにされるとは思わず、私は呆然としました。
同僚に事情を話すと…
こんな思いをしてまでBBQへ行く必要はないのではないか。そう考えていたところ、別の車で会場へ向かっていた同僚から、「今どの辺?」と電話がありました。
迷った末に事情を説明すると、同僚は驚き、運転していた人にも事情を伝えてくれました。ちょうど近くを走っていたため、そのまま迎えに来てくれることになったのです。
車内で、私はこれまでA山さんから学歴を理由に嫌みを言われていたことも打ち明けました。同僚たちは、「そんな人だとは思わなかった」と驚いていました。
その後、私たちはそのまま会場へ向かいました。
「置いて行ったんだろ?」
会場に到着すると、私の姿を見たA山さんは明らかに動揺した様子。迎えに来てくれた同僚が、「SAに置いて行ったんだろ?」と確認すると、周囲もざわつき始めました。
私はスマホに残っていたA山さんとのやりとりを見せ、途中まで同じ車に乗っていたこと、サービスエリアに置いて行かれたことを説明しました。
すると、その場にいた役員もA山さんに事情を確認。A山さんは「冗談だった」と言い訳したものの、「冗談で人を高速道路のSAに残していくのか」と指摘され、何も言い返せない様子でした。
後から聞いた話では、A山さんは私が来ないことについて、「朝から連絡がつかず、ドタキャンした」と周囲に説明していたとのこと。置き去りにしたうえ、さらに嘘までついていたことが明らかになり、A山さんは周囲からの信用を大きく失いました。
A山さんは、それからしばらくして会社を辞めました。一方、私は以前から進めていた企画に本格的に携わるようになり、現在は新しいプロジェクトの中心メンバーとして仕事を任されています。
今回の出来事を通して、学歴だけで人の能力を判断する人に、無理に認めてもらう必要はないのだと感じました。きちんと見てくれている人は、肩書きではなく、その人が仕事にどう向き合っているかを見てくれているのだと思います。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
◇ ◇ ◇
続いてご紹介するのは、自分で獲得した大手企業へのプレゼンを、上司から「女性だから」という理由で取り上げられてしまった女性のお話です。
「女性が前に出たらナメられる」と言われ、補助役に回された主人公。しかしプレゼン当日、事態は思わぬ方向へ……。
「女性はお茶でも出して」仕事を横取りした上司

私はある会社で働いています。あるとき、以前からアプローチを続けていた大手企業から、プレゼンの機会をいただけることになりました。念願だった相手だけに、私はとてもうれしく、さっそく直属の上司であるA課長へ報告しました。
A課長も最初は「よくやった」と褒めてくれたのですが、その直後、思いがけないことを言われました。プレゼン資料は私が作り、本番では課長が前に立つというのです。
理由は、「女性が前に出ると相手にナメられるかもしれないから」。
自分が獲得した案件なのに、なぜ性別だけで表に立つ機会を奪われるのだろうと納得できませんでした。
それでも、ここで反発してせっかくの機会を潰したくはありません。私は気持ちを切り替え、まずはプレゼンを成功させるための準備に集中することにしました。
念入りに準備する私とは対照的に…
資料を作っているころ、先方との取引経験があるB部長から、「丁寧に準備していこう」と声をかけてもらいました。さらに、「細かな質問が出やすいから、経緯もしっかり説明できるようにしておいたほうがいい」とアドバイスももらいました。
そこで私は、想定される質問と回答をまとめ、説明の順番も細かく整理。プレゼンの1週間ほど前には資料を完成させ、A課長へ提出しました。
しかし、A課長がきちんと内容を確認している様子はなく、前日になっても、「熱く話せば何とかなる」と軽い調子で……。私は先方の傾向や、想定問答を準備していることを伝えましたが、A課長はあまり聞く耳を持ちません。
そして最後には、「女性は気を利かせて補助していればいい」「お茶でも出しておきなさい」という趣旨の発言までされました。
これ以上言っても無駄だと感じた私は、資料のバックアップと想定問答を準備し、万が一に備えることにしました。
プレゼン当日、質問されると…
迎えたプレゼン当日。A課長は資料に沿って説明を始めましたが、先方から具体的な質問が出ると、次第に言葉に詰まり始めました。
回答も曖昧で、このままでは話がまとまらないと感じた私は、A課長の説明を否定しないよう注意しながら補足しました。
すると、先方は徐々に私へ直接質問をするようになったのです。焦ったA課長は会話へ入ろうとしましたが、かえって説明がわかりづらくなってしまいました。
最終的には、先方から「担当者と直接話したい」と言われ、私が中心となって対応することになりました。
プレゼン後、先方からは、内容は前向きに検討するものの、進行には不安があったという連絡が入ったそうです。
案件の主担当になったのは…
数日後、私はB部長から、「次回からこの案件は主担当として進めてほしい」と言われました。一方、A課長は、準備不足に加え、性別を理由に私を補助役へ回していたことについてもB部長から厳しく注意を受け、この案件から外れることに。
この一件以降、A課長が性別を理由にした露骨な発言をすることは減りました。
私自身は、特別なことをしたつもりはありません。プレゼンを成功させるために、必要な準備をしていただけです。
今回の出来事を通して、性別だけで役割を決めつけられることには、やはり納得できないと感じました。これからも、自分に任された仕事に丁寧に向き合いながら、できることを積み重ねていきたいと思います。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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今回ご紹介した2つのエピソードでは、どちらも本人の仕事ぶりを見る前に、学歴や性別といった属性だけで能力を決めつける人たちが登場しました。
1本目では、高校を途中で辞めたという経歴を理由に、職場にふさわしくないかのように扱われ、2本目では、女性であることを理由に、自分で獲得した仕事の表舞台から外されてしまいました。
学歴や性別などの一部分だけで、その人の仕事ぶりや能力まで判断することはできません。肩書きや先入観にとらわれるのではなく、実際の行動や積み重ねをきちんと見ることが、相手を尊重するうえでは大切なのかもしれませんね。
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