家事育児から逃げる夫
私は当時、夫と1歳になったばかりの娘と3人で暮らしていました。娘は夜泣きをするようになり、まともに眠れず私は困っていました。さらに、私には困ったことがもう一つ。夫は仕事が終わっても、まっすぐ家に帰ってこないのです。
仕事が早く終わろうが遅く終わろうが、毎日のように夕方「実家で飯食ってから帰る。22時には帰るかな~」などと連絡してきては近所の義実家に立ち寄り、自分がくつろぐために2時間ほど滞在して夕飯まで甘え、夜の9時過ぎに帰宅する日々を繰り返していたのです。
夕飯を用意し終わってから連絡がくることが多く、今までも何度か「まっすぐ帰ってきて」とお願いしていましたが、夫はその都度わざとらしい大きなため息をつき、「はいはい」とあしらうだけでした。しかも、ほぼ毎日義実家で食べてくるなら作る必要はないと思って作らないでいると、たまにまっすぐ帰ってきたときに「なんで夕飯がないんだ」と文句を言うのです。ただでさえ睡眠不足でしんどいのに、夫に振り回されて、限界でした。
そんなある日の朝、私は疲れがたまりついに高熱が出てしまいました。しかし娘の世話もあり、ゆっくりする暇などまったくありません。夫に状況を説明してまっすぐ帰宅するようお願いしましたが、夫からの返信はなし。私は「もう一緒に暮らしていけない……」と思いながら、いつも夫がすがっている義母に電話を掛けたのです。義母は、すぐに家へと駆けつけてくれました。
義母は手際よく私の看病と娘の世話を引き受けてくれました。そしてその場で突然「ごめんなさいね」と謝罪。どういうことかと尋ねると、「あの子(夫)ね、多分嘘をついて毎晩うちに来ていたのよ」と明かしたのです。夫は「妻がヒステリックで居心地が悪い」「家が散らかっている」と不満を言い訳に、義実家に滞在していたのだそう。たしかに、毎日の疲労で常に笑顔で夫を出迎えられていたとは言えなかった私。思い当たることがあるだけにグサッと刺さるものもありましたが、義母は違いました。
私の真面目な性格を知る義母は「毎日がんばってるんだもの」と私を労ってくれました。しかし義母がへたに追及して夫が頑なになったり私に当たり散らしたりするのを避けるため、決定的な証拠が出るまであえて静観していたのだそう。無用な波風を立てないよう私への事前連絡を控えていたことも含め、義母は深く謝罪してくれました。
夕方が近づくと、義母は一工夫凝らしました。一度実家に戻り、いつも通り何食わぬ顔でくつろぎに来た夫の姿を確認すると、「買い忘れがあったからスーパーに行ってくるわね」と嘘をついて義実家を出たのです。そして再びわが家へと戻り、夫の帰宅を待つことに。
夜9時過ぎ、実家で2時間ほどくつろいだ夫が、悪びれる様子もなく帰宅。しかし、いつも出迎えるはずの私の姿はなく、暗いリビングで待っていたのは、義実家にいるはずの義母でした。予想外の出来事に夫が狼狽していると、義母は立ち上がり「体調の悪い奥さんや幼い娘を放置して自分だけ実家に逃げるなんて、何のための家族なの!」と容赦なく問い詰めたのです。
「いや、だってあいつが……」とこの期に及んでまだ私のせいだと言いたげな夫。義母は「毎日寝不足で、体調不良でも夫に何も助けてもらえない状況なら、誰だって少しくらいヒステリックにもなるわよ! 自分がその状況を作っていることを自覚しなさい!」と怒鳴りました。自分勝手な発言と行動を指摘された夫は何も言い返せず、ただ気まずそうに黙り込むしかありませんでした。
その後、夫は義母から厳しいお説教を受け、心を入れ替えて家事育児に協力的になりました。夫の身勝手さを冷静に見抜いて助けてくれた義母との絆は強まりましたが、一度崩れ去った夫への信頼は3年たった今でも完全には戻っていません。
一人で限界まで抱え込まずにSOSを出すこと、そして我慢せずに自分の気持ちを伝えることの大切さを今回の出来事で学びました。これからも心強い義母の存在に感謝しつつ、娘と自分の笑顔を守るために、夫と対等な関係で向き合えるようコミュニケーションを大事にしなければと実感した出来事でした。
著者:北沢真子/30代・主婦。食いしん坊な4歳の娘とわんぱくな1歳の息子のママ。甘いものがやめられずダイエットが続かないことが悩み。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年3月)