“孫のため”は、どこへ消えた?
帰宅後、私はこれまでの記録を集計しました。お義母さんに使われた金額は、なんと400万近くにのぼっていたのです。さらに私は、お義母さんが預かっているはずの出産祝い金がどうなったのか、まだ確認できていないことに気づきました。
そんな中、義実家に法律事務所からの封書が届き、お義父さんが親戚たちを集合させ……。










義父の呼びかけで、義実家には親戚たちが集まりました。緊張するサキさんに、ユウタさんは「大丈夫。俺も父さんもいる」「もう逃げないから」と声をかけ、義実家のリビングへ。
そこには、以前サキさんを責めた親戚たちの姿も。義母は「嫁が大げさに騒いでるのよ」「お父さんまで丸め込まれちゃって困ってるの」と、余裕の笑顔を見せます。
しかしサキさんは動じず、パソコンで義実家関連の支出をまとめたシートを開きました。これまでに記録してきた、義母への支払いの内容を読み上げていきます。
「孫のため」と言われてきた支出の多くが、実際には義母や義妹のために使われていたことが明らかになり、親戚たちはざわつき始めます。追い詰められた義母は、「家族のお金でしょ!?」「私が使って何が悪いのよ!!」と開き直りましたが……。
ユウタさんは、「俺の給料はサキとアイリの生活のためのお金だよ」と静かに告げます。そしてサキさんは、最後に出産祝いについて義母に問います。
「お返しの45万円は、わが家が払いました。お義母さんが預かってくださったみなさまからのお祝い金は、どこへ行ったんでしょうか」
その言葉に、親戚たちも「サキさんに渡ってないの?」「アツコさんまさか……」と騒然。義母は「私だって田中家のためにやってきたのよ!」と叫びますが、誰も味方しませんでした。
そんな中、義父は「弁護士さんに作ってもらった」と告げ、座卓の上に合意書を置きました。義母の「孫のため」という言葉は、この日を境に、誰にも通じなくなったのでした。
◇ ◇ ◇
「家族のため」「孫のため」という言葉は、本来なら相手を思いやる気持ちから出てくるもののはずです。しかし、その言葉を理由にお金を要求したり、自分の見栄や都合のために使ったりしてしまえば、信頼は大きく損なわれてしまいます。
家族間のお金の問題は、外からは見えにくいぶん、当事者だけで抱え込むと事実があいまいになりがちです。誰が、何のために、いくら使ったのかを冷静に整理することで、初めて見えてくることもあります。身近な人との関係であっても、「家族だから」と流さず、お金の使い道に疑問を感じたときは、事実を確認し、必要な線引きをきちんとしていきたいですね。
miyuka