わが家は、お義母さんの財布じゃない
お義父さんの呼びかけで、親戚が義実家に集まりました。私は、これまで記録してきた義実家関連の支出を一つずつ読み上げました。
お義母さんが「孫のため」と言っていたお金の多くは、実際にはお義母さん自身やアヤカさんのために使われていたことを説明したのです。
そして最後に、出産祝いのことを尋ねました。お返しの45万円は、わが家が支払いました。では、お義母さんが預かっているはずの、みなさんからのお祝い金はどこへ行ったのでしょうか――。
私の追及に、お義母さんが言葉を詰まらせていると、お義父さんが静かに弁護士であるマユミさんの夫に作成してもらった「合意書」を差し出し……。











親戚から「出産祝いは、結局どうしたの?」と問われると、義母は「もうないわよ!」「アイリちゃんに使ったのよ!」と声を上げました。しかし、それでは親戚たちは納得しません……。
サキさんは、「ほかのお金はもういいです。でも、アイリのためにいただいた出産祝いは別です」と、出産祝いだけは返してほしいと伝えます。
すると義母は「田中家に包んでくれたお祝いなんだから、私が使って何が悪いのよ!?」と激怒しますが、親戚たちは「田中家にじゃないわよ」「私たちはアイリちゃんのために包んだのよ」と次々に反論。
そして義父は、合意書に手を置き、「これは罰じゃない。これからの約束なんだ」「この約束を守れないと言うなら、もう一緒には暮らしていけない」と、義母にはっきり伝えました。
追い詰められた義母はユウタさんに助けを求めますが、ユウタさんも「俺も父さんと同じ気持ちだよ」と。こうして義母との間に、初めてはっきり線が引かれたのです。
その日の夜、義父は義妹にも「何でも母さんに頼って暮らすのは今日で終わりだ」と告げ、仕事を探すこと、生活費を家に入れること、自分の娘に責任を持つことを求めました。アヤカさんは反発しますが、義父は声を荒げずに言います。
「助け合うことと、何でも許すことは違う」「家族だからこそ、これからはきちんと線を引くんだ」
数カ月後――。
アヤカさんはパートを始め、生活費を家に入れるように。義母も、アイリちゃんの出産祝いを返すために働き始め、見栄を張るために買ったブランドバッグも手放します。
サキさんの「義実家関連支出」の表には、もう何カ月も新しい数字が増えていません。
「線を引くことは、家族を捨てることじゃない。家族だからこそ、守らなければならない線がある」と、サキさんは穏やかな日々の中で実感するのでした。
◇ ◇ ◇
家族だから助け合うことは大切です。しかし、助け合いと、何でも許すことは同じではありません。相手の都合や見栄のためにお金を出し続けたり、理不尽な要求を受け入れ続けたりすれば、家族関係そのものが苦しくなってしまいます。大切なのは、相手を突き放すことではなく、お互いが責任を持てる関係に整えていくことなのかもしれません。「家族だから」と我慢を重ねるのではなく、守るべき生活やお金には、必要な線引きを言葉にして伝えていきたいですね。
miyuka
義妹は娘の為、義母は改めて孫娘の為、働いて責任を果たしていく姿は読んでいて決して不快ではないですね。
毅然とした「アイリの出産祝いだけは」の言葉に最終回の展開が凝縮されている気がします。
パートの収入のみでは合計400万円以上のお金を全額は無理でしょうけど。義母・義妹の虚飾が排除されてユウタさんと義父が家庭を守る立場をしっかりと自覚したのは読後感が良かったです。