多恵子さんの不在を心配し、警察官とともに蒲倉家を訪ねてきた梅村さん。パパが多恵子さんの家出を「自分勝手」と口にすると、「あんたたち家族のせいで多恵子さんは出ていったのに、まだ責めるなんて!」と激怒しました。
その日の夕方、梅村さんの娘・緑さんが、お土産を持って蒲倉家を訪れます。そして、梅村さん自身もかつて夫との関係に苦しんでいたことが明かされます。夫を亡くしたときに流した涙も、悲しみではなく「亡くなってくれてうれしい」という歓喜の涙だったようです。
17年前、そんな梅村さんの姿を見た多恵子さんは、「不謹慎だけど、静江さんがうらやましい」と本音をこぼしていました。暴力やお金の問題があるわけではないものの、夫から押しつけられる価値観に、少しずつ苦しさを感じていたようで……。
夫の理想を一方的に押し付けられて……











多恵子さんが育児休暇を取って仕事を続けたいと話すと、夫は「育休なんて本気で取るやついるのか」「おとなしく退職しておけよ」と言い放ちます。多恵子さんは、仕事が好きだから辞めたくないと伝えますが、夫は家事も育児も仕事も完璧にできるのかと責め、子育てを一緒にするという発想はない様子。
夫が気にしていたのは、多恵子さんの希望ではなく、自分が「妻子を養えない男」だと思われること。結局、多恵子さんの意見は聞き入れられず、妊娠を機に仕事を辞めることになったのでした。
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自分にとっての当たり前が、相手にとっても同じとは限りません。「妻ならこうするもの」「母親ならこうあるべき」と決めつけてしまうと、相手はその枠の中でしか動けなくなってしまいます。
たとえ悪気がなくても、その言葉が相手の選択肢を狭めてしまうこともあるのかもしれません。近い関係だからこそ、「自分はこう思うけど、あなたはどうしたい?」と聞き合える関係でいたいですね。
紙屋束実
