何かとお金を頼んでくる義両親
「家電が壊れたから、少し助けてくれない?」
「急な出費が重なって、今月厳しいの」
義母はそんな理由をつけ、たびたび夫にお金を頼んできました。最初のころは夫も「親が困っているなら」と数万円ずつ渡していましたが、それが続くと、「またか……」と不満を漏らすように。
そして少し前には、義両親に「うちにも生活があるんだから、これ以上何度もお金を出すのは無理だよ」と伝えていました。
そんなある日、私のもとに義母から電話がかかってきました。
「実はね、お父さんが病気になっちゃったの」
義母によると、義父は治療が必要な状態で、医療費などの出費が重なり、生活も苦しくなっているとのこと。そして、「できれば100万円くらい、助けてもらえない?」と言われたのです。
これまでとは桁が違う金額に驚きましたが、本当に治療費が必要なら放っておけません。
「わかりました。まずは夫にも伝えますね」
そう答えると、義母は突然慌てました。
「えっ!? あの子には言わなくていいから!」
さらに、「仕事も忙しいし、心配させたくないのよ」と続けましたが、100万円もの話を夫に黙って決めるわけにはいきません。
電話を切ったあと、私はすぐ夫に事情を話しました。
夫も「父さんが病気? 俺、何も聞いてないけど……」と驚いていました。
義父に確認すると…
夫が義父に電話すると、義父は何度もせき込みながら、「ちょっと体調を崩しててな」とつらそうな声で答えました。
ところが、「何の病気なの?」「病院には通ってるの?」と尋ねても、「まあ、いろいろあってな」「詳しいことは母さんに聞いてくれ」とはっきり答えません。
電話を切った夫も、「なんか変じゃない?」と首をかしげていました。
私も違和感はありましたが、本当に具合が悪い可能性もあります。遠方に住んでいるからこそ、電話だけでは様子がわかりません。
そこで私たちは翌日の仕事を調整して休みを取り、急いで飛行機を予約しました。
本当に義父の具合が悪いなら、直接顔を見ておきたいと思ったのです。一方で、義父の受け答えにはどこか引っかかるものもあったため、義両親には向かうことは知らせませんでした。
インターホンを押し、しばらくして玄関を開けた義父を見て、私たちは驚きました。電話で聞いたような弱々しさはなく、とても病人には見えなかったのです。
しかも玄関の近くには、大きなキャリーケースが置かれていました。
そこへ義母もやってきます。私たちの姿を見るなり、義両親はそろって目を見開きました。
「ど、どうして……?」
100万円の本当の使い道
夫が「父さん、病気なんじゃなかったの?」と聞くと、義父は黙り込みました。
さらに夫がキャリーケースについて尋ねると、義母は慌てて、「これは入院の準備よ」と言いました。しかし、そばには旅行のパンフレットや予約に関する書類まで置かれていたのです。
やがて義両親は、病気の話が嘘だったことを認めました。
2人は以前から旅行を計画していたものの、少し贅沢な内容にしたため予算が足りなくなり、その分を私たちに出してもらおうと考えたというのです。しかも、夫にはすでに「これ以上お金は出せない」と言われていたため、今度は私に直接頼んだのでした。
「治療費なら出してくれると思ったの」
義母がそう言うと、夫は怒りを隠せない様子で言いました。
「病気だって聞いて、本気で心配したんだぞ」
そして、「もう金輪際、お金は渡さない。こんなことをされたら信用できないから」とはっきり告げました。
義父が病気ではなかったことにはほっとしましたが、家族の心配につけ込んでまでお金を出させようとしていたことには、やるせない気持ちが残りました。
今回のことで夫も、「親だから」と何でも受け入れるのではなく、金銭面ではきちんと線を引くと決めたようです。私も、高額なお金が絡む話ほど、家族であっても確認することが大切なのだと実感しました。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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