子どもがいないなら譲れ!?
引っ越し準備中、義母から「転勤前に顔を見たい」と連絡があり、家に招くことに。ところが当日、義母は新婚の義妹夫婦まで連れてきたのです。リビングに通すと、義妹は景色を見て「やっぱりタワマンっていいね!」と大はしゃぎ。
すると義母が「転勤中、この家は貸すんでしょ? この子たちがここに住みたがってるのよ」と切り出しました。借りたいという相談かと思ったら、続いたのは思いもしない要求でした。
「だったら若い2人にこのタワマンを譲りなさい! 子どももいない夫婦には、こんな広い家は必要ないでしょ?」思わず夫と顔を見合わせました。2人で頑張って買った家なのに、子どもがいないから譲れだなんて、あんまりです。
「じゃあ、新居はここで決まりね!」義妹も当然のように言い、義妹の夫までうなずいています。夫が「何言ってるんだよ! この家を譲るわけないだろ!」と突っぱねると、義母はすかさず「じゃあ、せめてタダで住まわせなさいよ!」と畳みかけたのです。
義妹の余裕ぶり
あまりに勝手な言い分に、夫もあきれた様子。「タダでなんて無理だよ。勝手に話を進めないでくれ」と返しました。すると義母は「だったら家賃くらい安くしてよ!」と食い下がり、義妹も「それなら住みたい!」と乗り気に。
義母の強引さには以前から困っていましたが、今回の要求にはさすがにうんざり。義妹夫婦に家を貸すのも正直気が進みませんでした。とはいえ、もともと賃貸に出す予定で、空室のままでも住宅ローンの返済は続きます。2人は共働きで収入も安定していると聞いていたので、夫と相談し、相場より少し安い家賃にすることに。ただし、入居審査はほかの希望者と同じ基準で受けてもらいました。
義妹夫婦は無事に審査を通過。ただ、転勤が終われば私たちが戻る家です。そこで、2年間の定期借家契約を結ぶことに。更新がないことも、契約前に不動産会社からきちんと説明してもらいました。義母も連帯保証人を引き受け、こうして話がまとまったのです。
入居が決まると、義妹は「家賃なんて余裕! やっぱり新婚生活はタワマンよね!」と上機嫌。義母も「うちの娘にはこのくらいが似合うのよ」と胸を張っていました。私は、毎月の家賃さえきちんと払ってくれれば、それで十分でした。
鬼電の裏で起きていたこと
ところが入居から数カ月後。私のスマホに義母から立て続けに着信が入りました。出た瞬間、耳に飛び込んできたのは切羽詰まった声でした。「お願い! このままじゃ娘たちがあのマンションに住めなくなっちゃう! 何とかして!」あれほど得意げだった義母が、なぜ? 事情を尋ねると、義妹夫婦が家賃を滞納しているというのです。
入居後に高級家具を分割払いでそろえ、新車までローンで購入。結婚式で貯金も減り、ローンの返済が重なるなか、外食や買い物も控えなかったそうです。
最初は義母が家賃の不足分を補っていたものの、それも限界に。管理会社から連帯保証人として支払いを求められたうえ、義妹からも「お母さんが保証人になったんでしょ! 払ってよ!」と詰め寄られ、親子で言い争いになったとのこと。
その後、義母からまた電話が。「家族でしょ? もっと家賃を下げて! 足りない分はそっちで何とかしてよ!」と、今度は私たちにまで要求してきたのです。
夫のひと言に義母は
私が「それはできません」と断ると、義母は「身内なのに冷たい! 娘夫婦を助けてあげなさいよ!」と声を荒らげました。見かねた夫が電話を代わり、「家を譲れと言った次は、家賃まで肩代わりしろってか!?」と一喝。
義母が言葉に詰まると、夫はさらに「俺たちだって働いて、この家を買ったんだ。妹たちの贅沢のために買ったわけじゃない」と続けました。私も同じ気持ちでした。義妹夫婦の支払いの穴埋めまで、私たちが引き受ける理由はありません。
結局、義妹夫婦から解約の申し出があり、管理会社を通じて合意解約しました。未払いの家賃は、連帯保証人の義母が一部を支払い、残りは義妹夫婦が分割で払うことに。義妹夫婦は家賃の安い住宅へ引っ越しました。義母は支払いのために貯金を取り崩し、義妹との関係もぎくしゃくしているそうです。
私たちも次の借り手を探しましたが、残りの転勤期間しか貸せないため、なかなか見つからず、数カ月間は空室のまま。ようやく新しい入居者が決まり、ほっとしました。ただ、義妹夫婦に貸したことで、私たちもずいぶん振り回されました。最初に感じた不安を、もっと大事にすればよかったと思います。あれほど強引だった義母も、あの一件以来、無理な要求をしてこなくなりました。私たちも義妹夫婦とは距離を置き、必要以上に関わらないようにしています。
約2年後、転勤を終えて戻った私たち。引っ越しの片づけを終え、夫とゆっくりお茶を飲んでいると、ようやくいつもの日常が戻ってきた気がしました。
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どんなに身近な人にも、それぞれの生活や事情があります。自分たちの都合ばかりを優先し、相手が大切にしているものを当然のように求めたり、金銭的な負担まで押しつけたりすれば、これまで築いてきた信頼関係にもひびが入りかねません。親しい間柄だからこそ、相手に誠実に接することが大切なのではないでしょうか。
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。