多恵子さんは、自宅から離れたN県某所で、旧姓の百瀬に由来する「もも」の愛称で呼ばれながら働いていました。そんな中、木綿子さんからの連絡で、仲良くしていた隣人・梅村静江さんが警察を呼んだことや、捜索願の話まで出ていることを知ります。
心配をかけないようお土産を送ったつもりでしたが、それだけでは足りなかったのだと動揺する多恵子さん。特に気がかりだったのは、家族よりも静江さんのことでした。
連絡したいと思っても、近所だったが故に電話番号はわからず、どうすればいいのか悩みます。そんな中、同僚の鳥谷さんに声をかけられ、「元の家でゴタゴタがあったみたい」と事情をこぼして……。
同僚からの思いがけない言葉に涙











突然家を出てきてしまったことを振り返り、「ちゃんと話をつけてきたほうがいいのかな」と悩む多恵子さん。その話を静かに聞いていた同僚の鳥谷さんは、「俺、一緒に行ってやろうか?」と声をかけます。思わぬ申し出に、多恵子さんは驚いてお茶を吹き出してしまいました。
自宅は遠いし申し訳ないと遠慮する多恵子さんに、鳥谷さんは「家族とはいえ3対1でしょ? 厳しいかなと思って。俺も気持ちわかるし」と話します。そのやさしさに、多恵子さんは思わず涙。張りつめていた気持ちが少しゆるみ、スタッフルームには、あたたかなやりとりが広がるのでした。
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つらい状況にいるとき、「ひとりで向き合わなきゃ」と思い込んでしまうことがありますよね。けれど、本当に苦しいときほど、誰かが隣にいてくれるだけで心強く感じるものです。解決策を出してもらうより、「一緒に行こうか」と寄り添ってくれる言葉に救われることもあるのかもしれません。
すぐに答えを出せなくても、安心して弱音を吐ける相手がいることは大きな支えになります。ひとりで抱え込まず、頼れる場所を持つことも、自分を守るために大切にしたいですね。
紙屋束実
