引っ越しを機に始まった彼女との接点
引っ越しを機にできるだけ荷物を減らそうと考えた僕は、身の回りの家具や家電の中で、新居へ持っていかなくても良いものを整理することに。
社内の同僚たちに「家電など、欲しい人はいないか」と声をかけてみたところ……何人かの男性同僚に交じって、同期の女性が手を挙げました。
彼女は社内でも誰もが知るマドンナ的存在で、誰に対しても明るく気が利く女性です。そんな彼女が「家具を見たいから家に行きたい」と言い出して、僕は驚きを隠せませんでした。
僕は幼いころから親の転勤で何度も引っ越しを経験しており、「どうせ離れるなら、あまり人と深くかかわらないほうがいい」と考える癖がついていました。そのため、彼女とも同期ではあるものの、特別に親しくしていたわけではありません。
戸惑いはありましたがでしたが、せっかくの彼女の申し出を受け入れ、自宅へ招くことにしたのです。
自宅へ招待すると…彼女から予期せぬ言葉が
引っ越しを控えた僕の部屋に、彼女がやってきました。僕は、普段とは違うプライベートな空間に彼女がいるという状況に、どうにも気恥ずかしさと違和感を覚えてしまいました。
それでも、一緒に家具を見たり、お茶を飲みながらたわいのない雑談を交わしたりしているうちに、少しずつ緊張もほぐれていきました。
一通り家具を見終わり、「そろそろ帰ろうか」という空気になったそのときです。
彼女は少し恥ずかしそうに頬を赤らめ、僕に向かって「私が欲しいのは、◆◆くん(僕)です」とまっすぐに告げたのです。
突然の言葉に、僕は「え…? いきなりどうしたの?」と何のことを言われたのか理解できず……。改めて彼女から「好きです」と言われて初めて告白されたことに気が付いたのです。
どうやら、彼女はずっと前から僕のことが気になっていたものの、なかなか声をかけられなかったそう。そんな中、僕の転勤が決まり、「このまま離れたら後悔する」と思ったとのこと。家具を見たいといったことも、僕と話すきっかけを作るためで、勇気を出して自宅まで来てくれたのでした。
遠距離を超えて僕たちは
彼女から思いがけない告白を受けたものの、間もなく転勤を控えていたこともあり、僕は彼女と交際するつもりはありませんでした。
しかし、引っ越しを終えて離れてからも、彼女は日常の小さな出来事や温かい言葉をこまめにおくり続けてくれていました。
僕自身、人との関係に壁を作る癖がありました。それでも、彼女のまっすぐなやさしさに触れるうちに、そんな僕も彼女ともっと近づきたいと思うように。
やがて、以前の勤務地へ出張する機会があると、彼女と会う時間をつくるようになりました。そして、お互いのことをゆっくり語り合う時間を重ねていったのです。
彼女がくれる温もりこそが、自分にとってかけがえのないものなのだと気づいた僕は、今度は自分から彼女にしっかりと気持ちを伝えることを決意しました。
僕が選んだ、かけがえのない未来
何度も言葉を交わし、お互いの過去や不器用な部分も含めて受け入れ合えるようになった僕たちは、正式に交際を始めました。
遠距離恋愛という少し不安なスタートではありましたが、お互いを思いやる気持ちが途切れることはありませんでした。
それから年月を重ね、僕たちは同棲することに。新生活に向けて家具を選ぶ際、以前の僕なら「何でもいい」と流していたはずなのに、「彼女と一緒に選ぶものだから、長く大切に使いたい」と心から思える自分がいました。
人との関係に壁を作っていた僕を変えてくれた彼女には感謝しかありません。そんな彼女の笑顔を絶やさないよう、大切にしたいと思っています。
勇気を出して一歩を踏み出してくれた彼女と向き合ったことで、僕は人生で最も大切な絆を手に入れることができたのだと実感しています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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