家から出ていけと言われ…
仕事が忙しく、帰宅が遅くなることもあった僕。一方、妻はお金の使い方が荒くなり、「もっと家族のことを考えてよ!」と不満をぶつけることが増えていました。
ある日、仕事で一晩家を空けることになった僕は、翌日が休みだったため、A子に「明日一緒にどこか行かない?」と声をかけました。するとA子は、「本物のパパじゃないんだから、家から出ていって」と言ったのです。
さらに妻まで、「A子にこんなふうに言わせるなんて父親失格なんじゃない? もう離婚したほうがいいかもね」と言い出して……。
A子が突然こんなことを言うのはおかしいと感じ、2人きりで話しましたが、「別に何もない」と口を閉ざすばかり。
その後も妻から離婚を求められ、話し合いを重ねる中、妻がA子の実父である元夫と不倫関係にあったことが判明。結婚生活を続けるのは難しいと判断し、僕たちは離婚することになりました。
離婚後、元妻と娘から着信が
離婚後、A子はひとまず元妻と暮らすことに。ある日、スマホを見ると元妻から何度も着信が入っており、その中にA子からの着信も1件だけ残っていました。
A子にかけ直そうとしたところ、再び元妻から電話が。「生活費が入ってないんだけど! 私、仕事してないのよ?」と言うのです。
元妻は結婚中はずっと主婦で、家計の大半を僕の収入に頼っていました。そのため、離婚後もA子に必要なお金とは別に、自分の生活費まで僕がこれまで通り負担するものと思っていたようです。
「A子のために必要なお金は負担する。でも、君の生活費まで払うつもりはないよ」と伝えると、元妻は不満そうに電話を切りました。
それより気になったのは、A子からの着信です。その後も何度か連絡しましたが、返事はありません。元妻に尋ねても「A子はあなたと話したくないみたい」と言われるばかりで、A子とは直接話すことができませんでした。
娘が明かした本音とは
しばらくして、A子から「会って話したい」と連絡がありました。後日会うと、A子は「あのとき、家から出ていってなんて言ってごめんなさい」と謝ってきたのです。「一度電話したけど、何を言えばいいかわからなくて切っちゃって。そのあとも連絡しようとしたけど、お母さんに止められて……」とのこと。
A子は、自分の進学にもお金がかかるうえ、母親が実父とやり直したがっていることにも気づき、「血のつながっていない僕に、自分たちのためにこれ以上苦労をかけたくない」と考えていたのだとか。
ところが離婚後、母親は実父とよりを戻したものの、2人はお金のことで喧嘩ばかり。僕の悪口まで聞かされるようになったといいます。
「本当のパパじゃないなんて思ってない。私、やっぱり一緒に暮らしたい」
その言葉を聞き、早くA子の本心に気づけなかったことを激しく悔やみました。
「お父さん」と呼ばれて
後日、A子が僕と暮らしたいと望んでいることを伝えると、元妻は「A子は私の娘なのよ! A子だって私と暮らしたいはず」と強く反発。しかしA子は「お母さんと暮らすのはもうつらいの」と、はっきり意思を示したのです。
僕は弁護士に相談し、A子と暮らすための手続きを進めることに。元妻の不倫についても慰謝料を請求することにしました。手続きを経て、僕とA子の新しい生活が始まりました。
A子の荷物を運び込んでいた日のことです。A子が何げなく「お父さん、ちょっと手伝って」と声をかけてきて……。その言葉に、思わず胸がいっぱいになりました。
血のつながりだけが家族ではない。A子と過ごしてきた時間を振り返りながら、僕はあらためてそう感じたのでした。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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