合格発表で元カノと再会して…
掲示板に娘の受験番号を見つけた僕は、「やった! あったよ!」と思わず声を上げました。妻と顔を見合わせ、娘が一生懸命頑張ってきた姿を思い出すと、胸がいっぱいになります。
「合格おめでとう! 今日はお祝いだね」と娘に声をかけ、家族で喜んでいると、背後から「あら、あなたじゃない。記念受験してたのね」と聞き覚えのある声がしました。
振り返ると、大学時代に少しだけ交際した元カノのA子が立っていました。隣にいるのは、僕の勤務先で営業部長を務めるB男さんです。2人のそばには、僕の娘と同じくらいの年ごろの女の子もいました。
実はA子は大学卒業後、僕と同じ会社に勤めていた時期があり、そこでB男さんと出会って結婚。その後、退職していました。
僕は企画部に所属しており、B男さんは営業部の部長です。部署は違いますが、仕事で関わることもあり、僕の企画に厳しいため、少し苦手な相手でした。
元カノの嫌みに妻が反撃!
B男さんが「君の娘さんも受験したのか。なかなかの難関校だぞ」と驚く横で、A子は僕たちを値踏みするように眺めていました。そして、「ここの学費、高いのよ? もし受かったとしても大丈夫? 企画もなかなか通らないんでしょ」と嫌みを言ってきたのです。
娘の頑張りをばかにするような言い方に腹が立ちました。しかし、僕が言い返そうとすると、妻が先に「うちのことは心配していただかなくて大丈夫です。ところで、お嬢さんの結果はもう確認されましたか?」と冷静に返しました。
するとA子は鼻で笑い、「うちの娘が落ちるわけないでしょ! 受験番号2454は絶対にあるわ!」と得意げに言います。
僕たちの娘の番号は2453。合格者の番号は番号順に並んでいて、2453の次に、2454は見当たらなかったはずです。僕も妻も気づいていましたが、本人が確かめる前に告げるのはためらわれ、言葉を飲み込みました。
掲示板を見た元カノは…
A子は自信満々で掲示板へ向かいました。しかし、合格者の番号を何度も目で追ったあと、「どうして…2454がない…」と青ざめて立ち尽くしたのです。A子たちの娘は残念ながら不合格でした。
B男さんは「残念だけど、この子は別の小学校にも興味があると言っていたし。そんなに落ち込まなくてもいいだろ」となだめますが、A子の怒りは収まりません。
「もう親にも受かるって話していたのに! あなた、会社のエースでしょう? あんな社員に負けて悔しくないの!?」と、夫にまで怒りをぶつけ始めました。
B男さんが表情を曇らせながら「子どもの受験と仕事は関係ないだろ」と反論しても、A子は「でも……!」と、なおも言い返そうとしています。
娘の本音に元カノが絶句
すると、それまで黙っていたA子たちの娘が「私、あっちの学校に行きたい! 楽しそうだもん!」と声を上げたのです。B男さんから「ほら、本人は別の学校に行きたいって言ってるだろ。娘の気持ちを尊重してやろうよ」と諭されると、A子は言葉に詰まり、何も言い返せなくなりました。
その後、僕たちが帰ろうとすると、B男さんが「さっきは妻が失礼なことを言ってすまなかった。娘さん、合格おめでとう」と声をかけてくれました。A子は最後まで悔しそうでしたが、僕たちには関係ありません。
娘は「パパ、今日のお祝い、何食べる?」とうれしそうに僕を見上げています。僕は「好きなものを選んでいいよ。頑張ったもんな」と答えました。
娘が頑張ってつかんだ合格を、家族みんなで思い切りお祝いしよう。そう思いながら、僕たちは帰路についたのでした。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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