結婚前の慎一は、美雪が仕事で忙しいときに花束を用意してくれるような、優しい人でした。けれど娘・舞が生まれてから、その様子は少しずつ変わっていきます。
ある晩、美雪がやっと寝かしつけたばかりの舞を、慎一は写真を撮るために起こしてしまい、「仕事を思い出した」と言い残して部屋を出ていきました。 疲れ切った美雪が目にしたのは、舞の寝顔とともに「寝かしつけに苦戦」とつづられた慎一のSNS投稿。実際に寝かしつけたのは美雪なのに、慎一は“いいパパ”としてふるまっていたのです。
さらに慎一は、母親からの「いいパパすぎるわね」という返信ににやけるばかり。美雪は強く言い返せないまま、胸の中にモヤモヤを募らせていきました。
そんな美雪のもとへ、今度は慎一の母である義母が訪ねてきて――。
自称いいパパ夫におむつ替えを任せてみた結果













美雪たちのもとを訪ねてきた義母。孫の成長を目を細めて喜び、やがて息子の慎一を「いいパパになって」と褒めちぎり始めました。実際に日々の育児を担ってきたのは美雪です。美雪には「育児なんてほぼしてないよね!?」という思いが、胸の中をよぎりました。
そんななか、義母の称賛は止まりません。「慎一のおかげで舞ちゃんはスクスク育っているのね」という言葉に、美雪の存在はすっかり置き去りに。慎一も「おむつも俺が替えてるんだぜ」と得意げですが、いざ替える段になると置き場所さえわからず、替え方もわかりません。
結局おむつを替えたのは、息子に促されて「孫のおむつを替えられるなんて幸せ」と喜ぶ義母でした。義母は大きくなった息子の頬を拭きながら幼いころを懐かしみ、母子だけの空気ができあがっていきます。その光景を前に、美雪はなんだかゾワっと気持ち悪さを感じ、なんだか落ち着きません。
ふと美雪の胸に浮かんだのは、「この人が本当にうれしそうにするのは、舞でも私でもなくて、お義母さんに褒められたとき」という思いでした。笑顔に包まれた団らんの裏側で、家族の何かが少しずつずれ始めているのを感じているのでした。
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実際にはほとんど育児をしていない夫が、義母から「いいパパ」と褒められていたら、納得できない気持ちになりますよね。しかも、夫自身もその評価を当然のように受け入れていたら、モヤモヤは募るばかりです。
親に認められたい気持ちは誰にでもあるものですが、家庭を築いた以上、まずは身近な家族と向き合うことが大切なのではないでしょうか。誰かに褒められることよりも、日々の家事や育児を分担し、お互いの頑張りを認め合う姿勢を忘れずにいたいですね。
きりぷち