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「定時なんで帰ります」自分のミスに謝罪なし!新人を注意したら→翌日「パワハラなんで辞めますw」料亭を去った結果…

実話をもとにした、スカッとストーリーをお届けします。

僕は老舗料亭で料理長をしています。数年前に若女将が店を継いでから、職場環境の改善が進み、今では「残業はできるだけゼロに」がお店の方針です。

そんな店に、若い新人が入ってきたのですが……。

 

予約変更の伝え忘れで、大慌て!

ある日の夜、翌日に宴会を予約しているお客様から、確認の電話が入りました。

 

「明日は40名でお願いしますね」

 

予約は20名のはずです。慌てて確認すると、お客様は数日前に人数変更の電話をしていたとのこと。その電話を受けたのが、新人でした。

 

新人には、予約変更の連絡があったら必ず担当者に取り次ぐよう伝えていました。ところが、彼は人数をメモしただけで、誰にも伝えていなかったのです。

 

「メモは取ったんですけど、渡すのを忘れてました」

 

悪びれた様子もない返事に驚きましたが、まずは翌日の準備を整えなければなりません。

 

厨房では、急いで追加20名分の食材を手配し、仕込みを開始。仲居さんたちも、人数に合わせて広い宴会場を使うため、席や食器の準備をやり直すことに。厨房も仲居も、急きょ残業となってしまいました。

 

ところが、定時になると、新人は白衣を脱ぎながら言ったのです。

 

「定時なんで帰ります〜」

 

伝え忘れについて、一言の謝罪もありません。その態度に、若女将が声をかけました。

 

「あなたのせいで皆残業よ! せめて謝るべきじゃない?」
少し強い口調だったのは確かです。しかし、新人はへらへらと笑うばかり。

 

「残業は強制じゃないですよね?」

 

「帰ることを責めているんじゃないの。人数変更を伝えなかったことは、きちんと受け止めてほしいのよ」

 

若女将がそう伝えても、新人は取り合わず、そのまま帰ってしまいました。

 

「パワハラなんで辞めますw」

翌朝、新人は出勤するなり、退職届を差し出しました。

 

「昨日のあれ、パワハラなんで辞めますw もっとホワイトなところで働くんで」

 

その言葉に、若女将の表情が曇りました。
「私、言い過ぎたのかな……」

 

人一倍、スタッフの働き方に気を配ってきた人です。自分の注意が退職のきっかけになったことに、ショックを受けているようでした。

 

僕は、これまで店を変えようと努力してきた若女将を見てきました。だからこそ、そんなに自分を責めないでほしかったのです。

 

「大丈夫。後悔するのは向こうなので」
思わずそう声をかけたあと、僕は続けました。

 

「定時に帰ることと、ミスに向き合うことは別の話です。ただ、予約変更の伝え忘れを防ぐ方法は、僕たちも考えましょう」

 

若女将は、少し考えてからうなずきました。

 

新人はその後、必要な手続きを経て退職。僕たちは、残ったスタッフで仕事を続けていきました。

 

定時なんで帰ります

 

3か月後、辞めた新人から電話が…

それから3か月ほどたったころ、店に一本の電話が入りました。相手は、あの新人です。

 

「あの……もう一度、雇ってもらえませんか?」

 

転職先では朝早くから夜遅くまで仕込みが続き、仕事で困っても周囲に相談しづらいとのこと。先輩の当たりもきつく、以前の職場を思い返すようになったそうです。

 

「普段は定時で帰れて、ミスをしても周りにフォローしてもらえる環境が、どれだけありがたかったか分かりました。あのときは、すみませんでした」

 

電話越しの声に、以前のような軽さはありませんでした。
しかし、店にはすでに後任のスタッフが入り、頑張ってくれています。

 

「謝ってくれてありがとう。ただ、今は新しいスタッフが入っていて、募集はしていないの。戻ってもらうことはできません」

 

若女将は静かに答え、続けました。

 

「ミスは誰にでもあるけれど、周りが助けてくれるのを当たり前だと思われては、一緒に働けないわ。今回気づいたことは、次の職場で生かしてね」

 

働きやすい店を、これからも

電話を切った若女将は、ほっとした様子でした。
「あのとき伝えたかったこと、少しは分かってもらえたのかな」

 

新人が転職先で苦労したことを、喜ぶ気にはなれません。それでも、自分の態度を振り返り、謝ってくれたことには意味があったと思います。

 

働きやすい職場は、誰か一人の努力だけでできるものではないのでしょう。困ったときは助け合い、必要なことはきちんと伝える。僕自身も、そんな関係を大事にしていきたいと感じました。

 

今日も若女将やスタッフたちと力を合わせ、お客様をお迎えしています。

 

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者が特定されないよう、固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

 

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