フリマイベントでママ友が…
ママ友Aに誘われ、お洋服リレー会に夫と1歳の息子を連れて行きました。お洋服リレー会とは、不要になった子ども服1着につき交換券を1枚もらえ、交換券で別の子ども服がもらえるというイベントで、Aはその主催メンバーのひとりでした。チラシやポスターには「1着から気軽に持ち込み大歓迎!」「思い出の服を次の誰かへ繋ごう」と大々的に書かれており、私は息子のサイズアウトした服の中から、シミやほつれのないきれいな状態のものを厳選し、3着持っていくことに。
当日は、日曜の午前中ということもあり大盛況。私に気づいたAは、笑顔で「いらっしゃーい!」と駆け寄ってきましたが、受付で私が服を差し出した瞬間、その表情が一変したのです。
Aは眉をひそめ、「えっ、たったこれだけ? もっとたくさん出せるでしょ」と不満そうに枚数をチェック。さらに、私が持参したシンプルで着回しやすい無地の綿シャツを指先でつまみ上げると、「こんな地味な服じゃ、最後まで残りそうね。ゴミ同然じゃない」と、他の参加者もいる前で平然と言い放ちました。チラシには「1着から歓迎」と明記されていたはずなのに、なぜそんな言われ方をしなければならないのかと戸惑いつつも、私は交換券を受け取り、服が並ぶフロアへ向かいました。
しかし、Aは受付を他のスタッフに押し付け、なぜか私を監視するように背後へぴったり張り付いてきます。気まずいと思いながらもスルーし、私が息子のために、肌触りの良いシンプルなボーダーTシャツを選んでカゴに入れようとすると、Aがすかさず横から手を伸ばし「ちょっと、そんな安っぽい地味な服、誰が持ち込んだのよ~。うちのイベントの格が下がるわ」と言い、私の手からそれをひったくって、ラックの奥底にグイッと隠すように押し込みました。そして代わりに、原色の主張が強い派手なブランド服を「これこれ! みんなこういう服を着せてほしいのよ~。私の選んだ服を着せておけば間違いないから!」と、無理やり私のカゴに入れてきたのです。
私が、「自分で選びたいから、これは戻すね」と断ると、Aはカッとなったのか、なんと私の手からカゴそのものを力づくで奪い取りました。周囲の参加者もぎょっとして足を止め、一帯がシンと静まり返ります。Aは「私がこの会のルールなの! センスのない持ち込みも、ダサい選び方も目障りなのよ! そんなセンスのない人は最初から来なくていい!」と周囲に聞こえるような大声で言い始めたのです。
どうやらAは、このリレー会を「自分のハイセンスな好みをアピールする場」にしたいという強い思惑があったよう。SNS映えする海外ブランドや華やかな服ばかりを集め、「私が手がけた洗練されたイベント」だとママ友たちにアピールしたかったのかもしれません。また、私に普段から「もっとおしゃれな服着せたら」など服について小言を言っていたので、私を使ってセンスの良さをアピールしたかったのかもしれません。
そんな思惑が瞬時に透けて見え、ドン引きした私。この場をどう乗り切るべきか戸惑っていると、息子を連れて先に場内を回っていた夫がいつの間にか戻ってきて、やり取りを見ていたようで、カゴを握りしめて興奮するAの前にスッと立ち、「何してるんですか」と制止。そして、「主催者の好みに合わないからと持ち込まれた服をけなし、選んだ服まで奪う権利があなたにあるんですか? あなたがしていることは地域のリレー会ではなく、ただの自己満足の押し付けでしょう。ひとりよがりな行動は、この会の評判を下げているだけですよ」と言いました。
夫の理路然とした指摘に、Aはぐうの音も出ない様子。さらに、集まっていた参加者たちからも「1着からOKって書いてあったのに、裏でそんな悪口言ってたの?」「さっき人の服をゴミ呼ばわりしてたの聞いた。ひどすぎ」「自分好みの着せ替えごっこがしたいだけじゃない」と次々に非難の声が上がりました。
“洗練されたカリスマ主催者”を気取っていたAは、周囲からの軽蔑の視線に耐えきれず、顔を真っ赤にして持っていたカゴを私に押し付け、スタッフルームへ逃げ去っていきました。その後、私は事態を知った他の主催メンバーから平謝りされました。その後Aとは一度も会っていませんが、身勝手な振る舞いでイベントの空気を壊したことで、その後イベントの主催メンバーから除名されたそう。さらに、この一件が地域のママ友ネットワークにあっという間に広まって、Aは近隣の子育てイベントやコミュニティにも顔を出せなくなっているようです。
きっと本来は「次の誰かへ繋ぐ」という温かい趣旨の場だったはずのイベント。Aのように、ひとりが自分のセンスを誇示するために他人の選択や想いを踏みにじってしまえば、せっかくのイベントが台無しになってしまうのだと、今回の一件で目の当たりにしました。
私自身も、他人の家庭の好みや想いを軽んじることのないよう気をつけながら、他人の意見や押し付けられる好みに流されることなく、自分の軸を持って子育てに向き合っていきたいと感じた出来事でした。
著者:小田りさ子/30代・ライター。1歳息子と夫婦の3人家族。食べることや散歩・ひとりで過ごす時間が好き。
作画:けだま
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年4月)