夫はそんな義姉を不憫に思っているのか、私に相談もなく「姉ちゃんが欲しいって言うから」と、わが家の日用品や食材を義姉宛てに送ると言って頻繁に持ち出していました。「シングルマザーで大変なんだし、いいだろう」と言われると、私は強く反論できずにいました。
義母からの突然のお願い
ある日、近くに住む義母の家を訪れると、突然、お金の援助を頼まれました。「娘に、今月の生活費が足りないから送ってほしいって言われちゃってね」
私が返答に迷っていると、夫は「わかった! 家計の貯金から母さんの口座に10万円振り込んどくよ。返さなくていいから」と勝手に決めてしまいました。義母はほっとした顔で、「ありがとう、助かるわ」とひと言。
そして「本人には聞かないでね。あなたたちにまで頼ったと知ったら、気にするだろうから」と言われたのです。結局、夫は私の不安をよそに10万円を振り込みました。相談もなく家計のお金を使われたことに、私はモヤモヤを募らせていました。
娘の七五三と、消えた着物
七五三を控えたある週末のこと。娘のために以前から実家で用意してもらっていた着物を出そうとしたとき、衝撃の事実が発覚しました。大切に保管していたはずの着物がないのです。
「ここにあった着物は!?」と夫に尋ねると、「姉ちゃんにあげたんだ。甥も七五三なんだって! 偶然だね!」と軽く答えました。
しかし、男の子が女の子の着物を着るわけがありません。私がその矛盾を問い詰めると、夫はしどろもどろになり始め、明らかに何かを隠しているようでした。
夫がお風呂に入っている間にこっそり
夫がお風呂に入っている間に、私は勇気を出して義姉に連絡を取りました。私が名乗ると、義姉は「久しぶり!」と明るく応じてくれましたが、私は焦りと怒りを隠せず「娘の着物、返してください!」と伝えました。
すると義姉は驚いて、「え? 一体何のこと?」と言うのです。詳しい話をすると、義姉が夫から物やお金を送ってもらったことは一度もないという事実が判明しました。さらに、義姉は逆に義母へ仕送りをしているとのことでした。
義姉は、頻繁にお金を無心してくる夫と義母に愛想が尽き、連絡を絶って距離を置いていたそうです。つまり、私は夫と義母の嘘にだまされていたのです。
自分勝手な夫に真実を突きつけて
義姉と話し合った私は、夫と義母の嘘を暴くため、ある計画を立てました。それは、夫が大切にしている車を一時的に隠し、夫自身の行動がどれほど身勝手なものだったのかを気づかせるというものでした。
週末、夫がまだ眠っている間に、私は車を近くの時間貸し駐車場へ移動させました。そして、事情を知る義姉にも協力してもらい、夫が起きるころにわが家へ来てもらったのです。その後、出かけようとした夫が、駐車場に車がないことに気づきました。
「おい! 車がないんだけど、どこにやったんだよ!」慌てる夫に、私は平然と答えました。「ああ、車ならお義姉さんにあげたけど」
「は!? なんで姉ちゃん!?」「え? いつもなんでも渡してあげているじゃない」「だからって、勝手に持っていかせるなよ! 俺の車だぞ!」「あなただって娘の着物を勝手にあげたじゃない。何が違うの?」
夫が言葉に詰まったところで、別室で待っていた義姉が姿を現しました。「そもそも私、着物なんてもらってないけど? あなた、着物をいったいどうしたの?」予想外の義姉の登場に、夫は顔面蒼白に。
私と義姉が問いただすと、夫はついに、娘の着物を勝手に売ったと認めました。さらに、以前から見当たらなくなっていた私のバッグや化粧品も、夫が持ち出して売っていたことが発覚したのです。
「じゃあ、最近お義母さんに振り込んだ10万円は?」と私が尋ねると、夫は黙り込んでいます。義姉は義母に電話をかけ、スピーカーにして事情を尋ねました。すると、最初はとぼけていた義母も、夫がすでに認めていると聞くと、自分も関わっていたことを白状しました。
もともと金遣いが荒かった夫と義母。義姉にもたびたびお金を無心していましたが、思うようにお金を工面できなくなり、ついには家族のものを勝手に売るようになったのだそうです。
売り上げは2人で分け、義母の遊興費や夫の小遣いにしていたとのこと。私は、あまりの身勝手さに言葉を失いました。ついには娘の大切な着物まで勝手に売ったことが、どうしても許せませんでした。
その後、話し合いの末、私は夫との離婚を決意。慰謝料と養育費について取り決め、娘と新たな生活を始めることに。義姉は「うちの家族が迷惑をかけてしまって、本当にごめんなさい」と謝ってくれました。
七五三の着物は急いでレンタルを手配し、娘のお祝いも無事に終えることができました。夫と義母に裏切られたショックは大きかったですが、真実を知ることができてよかったと思っています。これからは娘との暮らしを大切に、一歩ずつ前に進んでいくつもりです。
◇ ◇ ◇
家族が大切にしているものを、相談もなく勝手に売られてしまったら、信頼関係が大きく揺らいでしまいますよね。ましてや、嘘を重ねて隠していたとなれば、簡単に許せることではないでしょう。
家族であっても、相手の持ち物を無断で持ち出して売る行為は、窃盗罪にあたる可能性があり、決してしてはいけないことです。特に子どものために用意されたものには、家族の大切な思いが込められていることも忘れたくありません。
今回、主人公は義姉と協力して真実を突き止めましたが、相手の大切なものを隠すなどの仕返しは、新たなトラブルにつながる可能性もあります。問題が起きたときは、事実を確認し、必要に応じて第三者にも相談しながら解決を目指したいですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。