家を出た多恵子さんは、自宅から遠く離れた場所でリゾートバイトを始め、新しい生活を楽しんでいました。しかし、旧友の木綿子さんからのLINEで、家族が自分を探し続けていることや、捜索願の話まで出ていることを知り、動揺します。
そんな多恵子さんを支えてくれたのは、バイト先で出会った人たちでした。同僚の鳥谷さんからは「俺、一緒に行ってやろうか?」と声をかけられ、そのやさしさに思わず涙。周囲のあたたかさに触れる中で、家族と一度きちんと向き合おうと決意します。
そして4月、数カ月ぶりに自宅へ戻った多恵子さん。夫との再会には不安を感じていましたが、息子の律郎は「中に入って。ママの家じゃん」と迎えてくれました。まだ自分の居場所があったことにほっとする多恵子さん。さらに律郎がコーヒーを淹れてくれ、思いがけない気遣いに驚きながら、穏やかな時間を過ごしていて……。
息子が知った母の本音



















律郎が淹れてくれたコーヒーを飲みながら、うれしそうに話す多恵子さん。すると律郎は、舞台を観に行ったあと、そのまま家出する計画だったのではないかと尋ねます。
多恵子さんはそれを否定し、夫に一泊旅行を反対されたことがきっかけだったと説明。子どもたちは大人になったのに、自分だけがいつまでも家族3人の世話係でいることに、不満が爆発してしまったと打ち明けます。
その後、旧友の木綿子さんと楽しい時間を過ごしたものの、家に戻る気になれず、行き当たりばったりで電車に飛び乗ったという多恵子さん。家を離れてからの生活を振り返りながら、今回は完全に家を出るつもりで戻ってきたと告げます。律郎は、多恵子さんの話にじっと耳を傾けるのでした。
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家族のために長年頑張ってきた人ほど、「自分がいなくなったら、この家はどうなるんだろう」と心配になってしまうことがありますよね。けれど、家事や育児を妻に任せきりにし、その我慢を当たり前にしてきた夫にも、自分の言動を振り返る必要があるのではないでしょうか。
子どもたちが自立しても、夫が妻を頼りきる関係のままでは、負担はなくなりません。家族を大切にすることは、誰かひとりが我慢し続けることではないはずです。家族それぞれに、自分の思いや大切にしたい人生があります。
親だから、子どもだから、夫婦だからと役割を決めつけず、お互いの希望を尊重し、支え合える関係でいたいですね。
紙屋束実
