数カ月ぶりに帰宅した多恵子さんを迎えたのは、息子の律郎でした。家出の理由や「そろそろママ業を引退したい」という本音を打ち明けると、律郎は自分たちも少しずつ自立に向けて動き始めていることを伝えます。その成長と思いやりに、多恵子さんは思わず涙しました。
その後、帰宅したパパは多恵子さんの姿を見て驚きます。しかし、律郎が外出して夫婦2人きりになると、パパは「平気な顔で帰ってきて、迷惑をかけたことを反省しているのか」と責め始めます。
数カ月ぶりの再会にもかかわらず、相変わらずの態度を見せる夫に、多恵子さんは「本当あなたってそういう人だよね」と失望をにじませて……。
心配の言葉もない夫に妻は












数カ月ぶりに再会しても、心配する言葉ひとつなく、自分を責める夫。多恵子さんがその態度を指摘すると、夫は「突然いなくなったんだから不機嫌にもなる」「いい大人が甘えるな」と怒りをあらわにします。
しかし多恵子さんは、甘やかしてほしいわけではなく、想像していた通りの態度だったことにあきれただけだと返します。そして「私は帰ってきたんじゃない。全部終わらせに来た」と告げる多恵子さん。夫への気持ちはすでに冷めており、「あなたと同じ家で暮らすのはもう無理」と、別れる意思をはっきり伝えるのでした。
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突然家族がいなくなれば、心配だけでなく怒りや不満を感じるのも自然なことかもしれません。けれど、ようやく顔を合わせた相手に、自分が迷惑をかけられたことばかり訴えてしまうと、大切な話し合いの機会を失ってしまうのではないでしょうか。
長年一緒に暮らしてきたからこそ、相手が我慢してくれることに慣れ、その苦しさに気づけなくなることもあります。相手が戻ってきたからといって、気持ちまで元に戻ったとは限らないのです。
大切なのは、相手に反省を求めるだけでなく、自分もこれまでの言動を振り返ること。相手の気持ちに耳を傾け、お互いに向き合う姿勢を忘れずにいたいですね。
紙屋束実