ローン完済報告後の不気味な沈黙
義母は気性が荒く、家事のやり方や私の仕事のことで毎日のように嫌みを言ってきます。私はなるべく波風を立てないよう、明るく振る舞って受け流していましたが、やはり心ない言葉には傷ついていました。
そんなある日、ついに二世帯住宅のローン完済のめどが立ちました。予定よりもかなり早い繰り上げ返済です。
その後、無事にローンを完済し、義母に報告すると、予想に反して「頑張ったわね」と私を褒めてくれました。思いもしないねぎらいの言葉に私はうれしくなり、思わず秘密を打ち明けてしまいました。
「実は、夫が露天風呂付きの旅館を予約していることを偶然知ったんです。きっとローン完済のお祝いですよね」
すると義母は「知っているわよ」と鼻で笑い、「私が息子にお願いして予約してもらったの。これまでローンで苦労したんだから、楽しみにしていなさい」と言いました。このときの私は、義母が何かを隠しているなど、思いもしませんでした。
「お義母さんが言ったからだったんだ」と少しがっかりしましたが、それでも旅行に行けることは楽しみでした。
しかし、そんな喜びも束の間でした。その翌日から、義母が突然私を無視するようになったのです。あいさつをしても顔を背けられ、食事の用意をしても手をつけることなく無言で席を立つ毎日。義父が海外出張中で不在だったため、この異様な雰囲気のなかで1カ月以上も耐えることになりました。
突然突きつけられた離婚届
旅行が数日後に迫ったある日、私が仕事を終えて帰宅すると、リビングのテーブルの上には、夫の署名も証人欄も記入済みで、あとは私が署名するだけの離婚届が置かれていました。ここ1カ月間の不自然な無視。そして、最近夫が「仕事の付き合いだ」と言って外泊を繰り返していたこと。すべてがつながり、私はこの離婚がずいぶん前から計画されていたものだと悟りました。
すると義母が部屋に入ってきました。1カ月ぶりに口を開いたかと思えば、冷酷な言葉を放ったのです。
「ずっとあなたを追い出したかったけど、息子ひとりにローンを払わせるのはかわいそうだから、仕方なくあなたを居候させていたのよ。さっさとサインして出て行きなさい」
「住宅ローンを完済してからずっと私を無視していたのは、そういう理由だったんですね」
私が尋ねると、義母は笑いながら答えました。
「ローンも終わったし、話す必要ないじゃない。あなたにもう用はないから、今日中に荷物をまとめて出ていってちょうだい」
私は静かに離婚届にサインし、かばんにしまいました。そして、勝ち誇る義母に向かってこう言ったのです。
「話す必要ありそうですよ?」
暴露された不倫の証拠
「は?」といぶかしげな顔をする義母に、私は告げました。
「お義母さんはご存じないようですが、この家は土地も建物も私の単独名義です。購入した当時、夫は転職活動中で収入が安定していなかったため、私が単独で住宅ローンを組んだんです。いずれは夫にも安定した仕事に就いてもらい、2人でローンを返済していくつもりでした。しかし、夫は転職活動がうまくいかず、現在もアルバイト生活を続けています。夫の収入だけでは生活費を十分に賄えず、私の給料も日々の生活費に消えてしまうため、住宅ローンの頭金も月々の返済も、独身時代の貯金から支払ってきました。万が一に備えて手元にまとまった資金を残していましたが、夫の収入が一向に安定しなかったため、その貯金を使って繰り上げ返済したんです。お義母さんには夫から話すと言っていましたが、話していなかったんですね」
義母は目を見開いて固まりました。
「どういうこと? 説明しなさい! 離婚届はまだ出さないでちょうだい!」
焦って怒鳴り散らす義母をよそに、私はさらに話を続けました。
「それに、夫が不倫していることも知っていますよ」
義母から無視されるようになり、夫の外泊も増えたことで、私はあの旅行が気になり始めました。そこで、夫婦共有で使っているパソコンを確認すると、旅館の予約確認書が保存されていたのです。
詳しく見ると、2名1室が2部屋、計4人分の予約が入っていました。さらに、特記事項には『バースデーケーキ希望。名前:Aちゃん』と記されていました。私の名前ではありませんし、誕生日もまだ先です。
不審に思った私は探偵に調査を依頼。すると、夫がアルバイト先の若い女性と不倫していることが判明したのです。その女性も、夫が既婚者であることを知った上で交際していたようです。さらに、探偵からの報告書には、夫の不倫相手と義母が親しげに食事をしている写真もありました。義母も不倫相手と面識があり、2人の関係を容認していたということ。あのとき義母は、私が旅行に参加できないと知りながら、わざと楽しみにしていなさいと言っていたのです。
夫の裏切りと義母の関与を知った私は離婚を決意し、不動産会社に家の査定を依頼。売却に向けた準備も進めていました。
私はすべてを把握していることを伝え、「離婚届は明日役所に提出します。この家は売却するつもりです。退去のことも弁護士を通じてお話ししますので、引っ越し先を探しておいてくださいね」と言い残し、実家へ帰りました。
自業自得の結末
翌日、役所に離婚届を提出し、無事に受理されました。夫に「離婚届を出した。家も売る」と連絡すると、夫は「そうか」とだけ返してきました。夫は、住宅ローンを私が独身時代の貯金から返済してきたことを最初から知っていました。しかし、義母には自分がローンを返済していると思い込ませていたのです。後から知りましたが、夫はすでに不倫相手と暮らすためのマンションを探していたようです。だからこそ、この家がどうなろうと関係なかったのでしょう。
慌てたのは義母でした。今まで家賃も生活費も義父や私たちに頼り、義父から受け取るお金を自由に使っていた義母は、家を追い出されることに猛反発しました。「財産分与で家を売ったお金の半分をよこせ!」と無心してきました。しかし、財産分与は夫婦間の問題であり、義母に請求する権利はありません。
また、家の購入費用も住宅ローンの返済も、すべて私の独身時代の貯金で賄っていたため、弁護士に通帳や返済記録を確認してもらいました。夫との財産関係についても弁護士を通じて整理し、義母の要求はきっぱりと断りました。
結局、義母がごねたせいで夫も嫌気が差し、予定していた旅行は義両親の分をキャンセルし、不倫相手と2人だけで出かけたそうです。本来は、海外出張から帰国する義父も旅行に参加し、そこで夫が私との離婚を報告して、不倫相手を紹介する計画だったようです。義父には、それまで不倫相手の存在を知らせていなかったといいます。やはり私との離婚は、夫と義母によって旅行より前から計画されていたのです。
その後、私は弁護士を通じて夫と不倫相手に慰謝料を請求しました。交渉の末、2人から合意した金額を受け取りました。
海外出張から帰国した義父にも事情を説明し、弁護士を通じて義両親と退去についても話し合いました。義父は義母の行動に激怒。義父の説得もあり、義両親は家を出ることになりました。その後、家も無事に売却でき、現在は独身生活を謳歌しています。
義母は現在、義父に月々の生活費を厳しく管理されるようになり、つつましい生活を余儀なくされているそうです。夫も、慰謝料の支払いで金銭的に余裕がなくなり、不倫相手とはうまくいっていないと聞きました。
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住宅ローンの返済が終わったとたん、妻を家から追い出そうとした義母。さらに、夫の不倫を知りながら容認していたとは、あまりにも身勝手ですよね。家族だからといって、相手の厚意や努力を当たり前だと思い、感謝や思いやりを忘れてはいけません。家族であっても、理不尽な扱いを受けたときには、我慢し続けるのではなく、自分の権利や幸せを守るために行動したいですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※一部にAI生成画像を使用しています。