ところが、健診の視力検査で、息子はマークをうまく指さすことができませんでした。すると医師から、「もしかすると、右目があまり見えていないかもしれません。一度、眼科で精密検査を受けてください」と言われたのです。
私のせい……? 落ち込んでいると医師が
私は頭が真っ白になりました。「目が悪いなんて、まったく気づかなかった」「もしかして、スマホを見せすぎたせい?」そんな考えが次々と浮かび、自分を責めてしまいました。
不安でいっぱいになりながら、数日後、大きな病院の小児眼科を受診しました。詳しい検査の結果、息子は遠視性弱視だとわかりました。私が落ち込んでいると、医師はゆっくりと説明してくれました。
「お母さんのせいではありませんよ。子どもの視力は、生まれつき完成しているわけではなく、ものを見る経験を重ねながら発達していきます。けれど、強い遠視などでピントが合いにくい状態が続くと、目から脳へはっきりした映像が届きにくくなり、視力の発達が進みにくくなることがあります」
さらに医師は続けました。「これは、育て方が悪かったから起きたというものではありません。スマホを見せたからすぐにこうなった、という話でもありません。普段の生活では気づきにくいことも多いので、健診で見つかったことがとても大切なんです」
その言葉を聞いて、私は少し肩の力が抜けました。医師からは、「今から治療用のメガネでピントの合った状態を作ってあげれば、視力の発達を促していける可能性があります。大切なのは、毎日きちんとかけることです。一緒に経過を見ていきましょう」と言われ、ようやく前向きに考えられるようになりました。
早く気づけてよかった
その後、息子専用の治療用メガネを作り、毎日かけてもらう生活が始まりました。最初はメガネ姿の息子を見るたびに、胸が締めつけられるような気持ちになりました。けれど、定期検診で視力の状態を確認してもらううちに、早めに気づけたことの大切さを実感するようになりました。
子どもの見え方は、親がそばで見ていても気づきにくいことがあります。息子自身も「見えにくい」と言うことはなかったため、健診で指摘されなければ、そのまま見過ごしていたかもしれません。
あのとき受診をすすめてもらえたおかげで、治療を始めることができました。3歳児健診を受けて本当によかったと、今では心から思っています。
◇ ◇ ◇
子どもの視力は成長とともに発達していきますが、遠視や乱視、左右の見え方の差などによって、視力の発達が妨げられることがあります。日常生活では気づきにくい場合もあるため、健診での視覚検査は大切な機会です。
もし健診などで眼科受診をすすめられたときは、「様子を見よう」と自己判断せず、早めに専門医に相談できると安心です。保護者が自分を責めすぎず、必要な検査や治療につなげていくことが大切ですね。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修:松井 潔 先生(小児科医)
著者:多田 晴美/40代/4歳の1人息子を育てるワーママです。息子のかわいさにメロメロです。
イラスト:おはな
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年10月)
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