僕の婚約者をバカにする同僚たち
結婚式の日程が決まったころ。
「この度、結婚する運びとなりまして、同僚の皆さんにも列席いただきたいんですが……」と伝えると、同僚のB田とC美は、僕の婚約者であるA子がどんな女性なのか興味津々。「写真見せてくれよ」「あ、私も見たいです!」と頼んできました。
そこで僕は、数日前に撮った写真を見せました。休日だったことで、A子はカジュアルなパーカーで化粧も薄め。B田とC美には地味で大人しい印象に見えたようです。
C美は「まあ、あれね。控えめっていうか……」と引き気味の反応。B田はもっと露骨で、「ま、目立たないお前に似合っているんじゃねえの? 地味同士でさ」と見下すように言ったのです。
さらに後日、B田は再び「お前の婚約者、めっちゃ地味だったじゃん? 結婚式場、あんな豪華なところでやるんだな。背伸びしすぎじゃね?」とからかってきました。
ムカッとしましたが、B田も招待客の1人である以上、結婚式の前に揉めたくはありません。「自分たちで納得して選んだ式場だから」とだけ答えました。
本当のA子を知ったふたりは…
そして迎えた結婚式当日。披露宴が始まり、僕とウエディングドレスに身を包んだA子が入場すると、B田とC美は「えっ……あれ、写真と同一人物かよ!?」「ずいぶん印象が違うわね」と驚いていたそうです。
それでもB田は「まあ、ドレスを着れば誰だって変わるだろ」と、相変わらず失礼なことを言っていたのだとか。
ところがその後、新婦友人によるスピーチで、ふたりの態度は一変。
「A子は昔から努力家で、管理栄養士になるという夢をかなえるために、ずっと勉強を頑張ってきました。今では有名なプロスポーツ選手の栄養管理も任されるほど、活躍しています」
実はA子は、スポーツ選手の栄養管理を専門とする管理栄養士。選手一人ひとりの体調やトレーニング内容に合わせて食事を考え、競技生活を支える仕事をしているのです。
僕と同じスポーツ用品メーカーで働くB田とC美は、A子の仕事がどれほど専門性を求められるものなのか、よく理解していました。「そんなにすごい人だったなんて……」と、ふたりは言葉を失っていたそうです。
B田たちから謝罪が
披露宴の歓談中、B田とC美が僕のところへやってきました。
B田は気まずそうに、「お前の奥さん、マジですごい人なんだな。相当努力したんだろ? この間、写真見てあんなこと言ってごめんな」と謝ってきました。C美も「失礼な態度を取ってごめんなさい」と頭を下げます。
僕は高校時代からA子の努力をずっとそばで見てきました。だからこそ、「うん、昔から努力家だよ。それに周りの人を大切にする、とてもすてきな女性なんだ」と伝えました。
その後、僕は仕事もプライベートも順調そのもの。営業として仕事に打ち込み、担当する取引先からの信頼も厚くなってきました。B田も、A子の仕事への姿勢に刺激を受けたのか、「俺も頑張らないとな」と言いながら仕事に励んでいます。
大切なA子をバカにされて腹が立たなかったわけではありませんが、結婚式を前に言い争いたくはありませんでした。B田たちも自分たちの発言を反省してくれたようなので、これからは同僚として良い関係を築いていけたらと思います。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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