義母に振る舞ったマツタケごはん
義母をわが家にお招きした日のことです。実家の母から1万円相当の立派なマツタケが届いていたので、せっかくならとマツタケごはんを振る舞うことにしました。
ごはんが炊き上がり、キッチンからふわりと香りが漂い始めると、義母は「とてもいい匂いね」と喜んでくれました。私もほっとして食卓につき、義母と一緒に「いただきます」と食べ始めました。実家から届いたマツタケだと説明しようとしたそのとき、義母が思いもよらない言葉を口にしたのです。
「シイタケのいい香りがして、おいしいわ。私、シイタケごはんが一番好きなの。マツタケやシメジはちょっと嫌いなのよね」
(えっ、これマツタケなんだけど……!)と内心焦り、顔が少し引きつっていたと思います。とはいえ、ここで訂正して気まずい空気になるのも嫌です。なんと答えていいかわからず、結局そのまま聞き流してしまいました。
義母は最後までマツタケを「おいしいシイタケ」だと思い込んだまま、ごはんを完食。「本当においしかったわ」と喜び、夕食後もうれしそうに帰っていったのです。
義母を見送った後、夫に「どうして事前にお義母さんの好みを教えてくれなかったの?」と少し抗議をしてみました。すると夫は「長く離れて暮らしていたから、すっかり忘れていたよ」と苦笑い。
せっかくのマツタケを出したことでヒヤリとしましたが、結果的に義母が喜んでたくさん食べてくれたのだから、これでよかったのだと思います。あの日のごはんに入っていたのが実はマツタケだったことは、今でも夫と私だけの秘密です。
◇ ◇ ◇
今回は、義母がおいしく食べてくれたことで、思わぬ勘違いがほほえましいエピソードになりましたね。
せっかく心を込めて作った料理でも、相手の苦手なものだったら、お互いに気まずい思いをしてしまうこともあるかもしれません。家族であっても、食べ物の好き嫌いをすべて把握しているとは限らないもの。誰かに料理を振る舞うときには、事前に好みやアレルギーの有無を確認しておくと、お互いに安心して食事を楽しめそうですね。
著者:山田めい子/40代女性/絶賛暴食中の4歳と1歳の姉妹の母。現在は育児休暇中。
イラスト:はたこ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年11月)
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