行政を頼ってもメンタルがすぐれない
私は上の子が3歳近くとなったときに下の子を出産しましたが、産後は身内に頼ることができない環境でした。したがって、上の子は産前産後要件を活用して保育園に通ってもらうなどの対策をおこない、なんとか「2人目育児の壁」を乗り切ろうと考えていたのです。
しかし、保育園の活用や行政の子育て支援訪問サービスなどを活用しましたが、下の子が生まれてからどうしても上の子に対するイライラが止まらず、怒鳴ったり八つ当たりしたりをくり返し、反省と後悔をする毎日でした。
完璧な育児を求めていた私
「どんなママでも間違いなく、完璧な対応で子どもを育てられるか」と聞かれたら、今の私なら「そんなことはないだろう」と思います。しかし過去の私、特に産後まもなくの時期は「今日も上の子に怒鳴ってしまった」「なんで上の子は私の言うことを聞いてくれないの?」と自分と子どもを責め続けてばかりで、完璧を求めていたように感じます。
そんな中、なんでもないのに勝手に涙が溢れて止まらない、夜中に何回も目が覚めてそのあとに眠れないといった症状が出てきました。「このまま気持ちのすぐれない状態が続くのであれば思いきって心療内科を頼ってもよいではないか」と考え、下の子が生後7カ月のころに心療内科を受診しました。
毎回不完全燃焼気味だった最初の病院
最初にメンタルの不調で受診した心療内科の先生は、30代くらいの方でした。そこの心療内科は忙しいらしく、初診ではある程度自分の話ができましたが、その後は5分程度で終わってしまい、私としては毎回「もっと喋りたいことがあったのにな」と不完全燃焼気味。
私は「適応障害」と「産後うつ」と診断されたのですが、うつ状態が強くないことと、私が「強い薬はできる限り控えたい」といった背景があり、軽めの向精神薬と睡眠薬を処方され数カ月経過をみていました。
最初に通ったメンタルクリニックは数カ月受診を継続し、「たしかに以前より眠れている」とは実感していましたが、肝心の「謎のイライラ感」は今ひとつおさまる気配がありませんでした。
偶然、漢方に力を入れている内科を受診
そんな中、風邪症状がなかなかおさまらないことがあったので、以前から夫のかかりつけだった「漢方に力を入れている内科」を受診してみることにしました。受診した際に、ふと「そういえばこの病院は漢方に力を入れてるって聞いたな……メンタル面でも漢方が処方されるって聞いたことがあるし、先生に聞いてみよう」と思い、「よくわからないけど気持ちがすぐれずにイライラする」といった症状を正直に先生に伝えてみました。
正直、内科でメンタル面の不調を診てもらえるのか?といった疑問がありましたが、私の通った内科は運良く「原因がわからないけど不調という人を診ているんですよ」と返答があったので、風邪症状がなくなった後日、再受診。そこで私に合った漢方薬を処方してくれることに。そして、処方された漢方薬を飲んで1週間もしないうちに、みるみる穏やかな気持ちになれた経験は本当にびっくりしました。
私がこの経験を通して学んだことは「もし合わないかもと感じたことがあったら、迷わず選択肢を変えてみる」という教訓です。心療内科の先生には、抗うつ剤を出そうかとも提案されていたので、その薬を始める前に自分に合った漢方薬が試せて本当によかったと感じています。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
「共感した」「私の場合はこうだった」など、ぜひベビーカレンダーサイトのコメント欄にご感想をお寄せください。また、ベビーカレンダーでは皆さんから募集した体験談を記事でご紹介させていただくことも。ベビーカレンダーに会員登録すると届くメルマガから、皆さんのオリジナル体験談をご応募ください。
監修/助産師 松田玲子
イラストレーター/山口がたこ
著者:鈴木ゆい
自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。