※「横隔膜ヘルニア」:本来胸とおなかの臓器を隔てている横隔膜に生まれつき穴が開いており、その穴からおなかの中の臓器が胸の中に出てきて心臓や肺を圧迫してしまう病気。心臓や肺を圧迫するために心臓や肺の発育が悪くなります。これにより心臓の機能の低下や肺低形成・肺高血圧症をきたすため、出生後に手術を受けたあとも酸素療法や心不全に対する治療が長期に必要になることがあります。
小児科に行ったのに…ひどくなる咳
昨年の4月、息子が風邪をひきました。とはいえ、初めての風邪というわけではなく、その前にインフルエンザにかかって無事だったこともあり、私は正直気を抜いていました。そのときちょうど上の娘が胃腸風邪をひいていて、嘔吐を繰り返していたので気が回らなかったのもあります。
午前中に2人を小児科に連れていき、もらった薬を飲ませて安心していたのですが、そこから息子の状態はどんどん悪くなっていきました。
動きが遅れた原因
息子は夕食を食べたものの、咳き込んで戻してしまいました。上の娘の胃腸風邪がうつったのかもしれない。でも今から病院に駆け込んでも、胃腸風邪なら経過観察になるだろうと思いました。水分だけでもとスポイトで少しずつ経口補水液を飲ませました。
息子の呼吸はどんどん荒くなっていましたが、上の娘たちはもう寝たあと、夫は飲み会で不在。ちゃんと水分はとれているし……と、私はつい不安にフタをしてしまいました。
夫が帰宅後すぐに大病院へ
息子の状態は一向に改善せず、夫の帰宅後、すぐに私の運転で大病院へ行きました。病院につくとすぐに処置が始まりました。喘息用の吸入や酸素吸入をさせようとしますが、機嫌の悪い息子は全力で拒否。結局、眠らせて口から気管に管を入れ、人工呼吸器を装着することに。
処置が終わった息子はぴくりとも動かず、生後すぐに手術が終わったあととまったく同じ姿でした。「やっと元気になってきていたのに、私の判断が遅かったから」と後悔が止まりませんでした。
歩けなくなった息子
幸い、人工呼吸器は1週間ほどで外れましたが、その間完全に動きを封じられていた息子は、歩くことどころか立つことすらままならなくなっていました。出始めていた言葉もほとんどなくなり、ほぼ半年の成長がたった1週間で失われてしまったのです。
結局原因は「ウイルス性の風邪」ということしかわからず、ただの風邪でここまでの状態になってしまう息子の持病を、改めて突き付けられた思いでした。
医療ケアや服薬の必要もなくなった息子に、私はすっかり油断していました。後悔だらけの入院でしたが、おかげでその後は思い立ったらすぐに大病院に行くようになりました。これからも息子の持病を頭において、早め早めの対応を心がけようと思います。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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監修/助産師 松田玲子
著者:岩崎はるか
2女1男の母。両実家とも遠方のためワンオペ育児中。先天異常の影響で肺が片方しかない医療ケア児を含む3人の子を育てた育児体験談のほか、大学院まで学んだ食についても執筆。