妊娠6週相当で稽留流産(枯死卵)と診断された私の、当時の体調や気分・心理状態の様子、3歳の長女への対応、子宮内容除去術についての体験談をご紹介します。また、この経験を通して、自分なりに学んだことをお伝えします。
募る不安…なかなか見えない赤ちゃん
私は32歳のときに2度目の妊娠がわかり、家族と共に喜んだのを覚えています。しかし、健診のたびに大きくなっているのは胎嚢だけで、なかなか見えない胎芽……。長女がおなかにいたときは順調な妊娠生活を送っていたこともあり、私は戸惑いを隠せませんでした。
妊娠がわかってから、においに敏感になったり、強い眠気を感じたりと体調の変化を感じていたこともあり、おなかの赤ちゃんが育っていないことに私は実感が持てませんでした……。
「稽留流産」という現実
妊娠6週相当を迎えたころ、担当医から「枯死卵と思われ、稽留流産の可能性がある」と診断。後日、院長の診断により稽留流産が確定。「子宮内容除去術を受けるか、もしくは自然流産を待つか」の2択を提案されました。
自然流産の場合、いつ出血するかわからないという不安が大きく、私は計画的に日帰り手術を受けることに。周りに心配をかけたくないため淡々と振る舞いましたが、ひとりでいると暗い気持ちになりがちでした……。
手術に向けて、心・体調・環境を整える
手術決定後、ひとりよがりの情報収集により私は不安と孤独感を感じ、ネットでの情報検索を控えることに。不明点は、担当医や看護師さんへ積極的に質問しました。また、長女が保育園に通っており、手術の前処理や当日の施術、通院の予約状況により送迎時間が変則的になるため、クラスの先生に事情を説明しました。
日常生活の変化に戸惑う長女へは、「大丈夫だよ!」と伝え抱きしめました。私は規則正しい生活を送り、手術に向けてできることを前向きに取り組みました。
緊張のピーク! 手術日を迎える
手術前日の処置から一気に高まる緊張! 親族を頼れない環境のため、夫と2人で病院へ向かうことに。手術は静脈麻酔下でおこなわれました。術中、子宮の痛みはないものの、黄色やオレンジの渦の中に入っていくような……混乱した感覚が苦しかったです。
結果、無事手術を終えることができました。 出血や太ももの痛みを感じましたが、担当医から経過に問題はないと診断され、術後少し休んでから帰宅。立ちくらみがしたので、夫に支えられながら歩きました。
流産という悲しい経験でしたが、私にとって大きな学びでもありました。家族をはじめ、医師や看護師さん、保育士さんとのコミュニケーションの大切さを実感し、感謝の気持ちでいっぱいに。また、友人にも同じ経験をしている人が少なくないことを知りました。妊娠、出産は当たり前ではなく、改めて命の尊さを感じた私です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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イラスト/マメ美
監修/助産師REIKO
著者:木下まい
自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。