結婚してちょうど1年。生理予定日付近に起きた不正出血から始まった、私のマタニティライフ。妊娠検査薬でうっすらと陽性反応が出て妊娠の兆候に胸を躍らせ病院へと向かいましたが、最初の診察では胎嚢が確認できず妊娠確定に至りませんでした。「来週胎嚢確認できない場合は子宮外妊娠の疑いもあるから。その場合は妊娠を諦めないといけない」という医師の説明で不安な1週間を過ごしました。
「それ自体が異常」
翌週再受診し胎嚢が確認されて安堵したのも束の間、「切迫流産なので絶対安静、家で横になって過ごしてください」と、私とおなかの赤ちゃんに起きている状況を説明されました。
ごく微量ながらも出血がずっと続いている状況を伝えると「それ自体が異常。正常な妊娠は出血なんてない」と言われて動揺してしまった私。なんとなくとっつきにくく、必要以上に説明をしないタイプの医師だとは感じていたのですが、妊娠が確定しても素直に喜べず、医師が言い放った「異常」という言葉により一層の不安が募りました。
「本当に順調なんですか?」
切迫流産を乗り越え妊娠25週を過ぎたころ、さらなる試練が待っていました。エコーの標準偏差から素人の私でも赤ちゃんの成長がとてもゆっくりで基準値より遅れていることがわかるのです。
それでも医師は「順調です」と言うので、「本当に順調なんですか?」と疑念をぶつけることができませんでした。聞いたところで説明を理解できる自信もなく、不安に駆られる日々を過ごしました。
臍帯の動脈が1本って⋯?
妊娠30週になった段階で、出産予定の総合病院に健診に行きました。健診が始まりしばらくすると、医師の様子が慌ただしくなります。「臍帯に2本あるはずの動脈が1本しかないんです」。
そんなことを言われても何を意味しているのか知る由もありません。私はもちろん、同席していた夫も思考停止。結局、翌週に画像診断を得意とする医師の診察を受けることになりました。
発育不良の原因、特殊な症例
切迫流産の次は単一臍帯動脈⋯⋯。ずっとこの子は私のおなかの中で安らげていない。生まれてきたいと必死に私にしがみついているのです。「お願い、これ以上何も起きないで」と願うしかありません。
医師からは「確かに単一臍帯動脈だけど他に気になる所見は見当たらない。成長が遅いのは胎盤の問題か個性だと思う」と診断され、予定を前倒して転院。単一臍帯動脈は全出生の0.6〜1%に発生する特殊な症例で、先天性異常や心疾患を抱えている場合もあるそうなので楽観視はできません。
分娩時に赤ちゃんの心拍が下がるアクシデントがあり吸引分娩になりましたが、無事2,550gの女の子を出産。胎盤は病理検査の結果、「次の妊娠も(単一臍帯動脈を)繰り返すかも。次は最初から設備が整った大きい病院を受診してください」と医師から説明がありました。わが子は現在3歳、順調に成長してイヤイヤ期を迎えています。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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監修/助産師REIKO
著者:関優海
3歳になる女児の母。現在はパワフルな娘に振り回されながら修行僧のような生活を送る傍らで、育児にまつわる記事のライティングを手がける。子どもスポーツ新聞の元記者。