おもちゃの取り合いで喧嘩
長男が4歳、次男が2歳のとき、長男は常に顔のどこかしらに傷があったような気がします。幼稚園に送っていくと、長男の顔を見た先生に「どうしたの!?」と言われることもよくありました。それに対して当時年少の長男はひと言、「弟にやられた」。
一緒に遊んでいて使いたいおもちゃが重なってしまったりすると、次男はとにかく手が出るのが早く、勝てないと長男の顔をひっかいてしまうのです。言い聞かせてもまだ2歳なので、なかなかうまくいきませんでした。
わからなくても話してみよう
といっても次男だけが悪いというわけでもなく、長男のほうも次男を「まだ赤ちゃんだから言ってもわからないだろう」という風に、おもちゃを黙って持って行ってしまったりする様子が見られました。そこで私は長男に、次男はまだわからないかもしれないけれど、「使ってもいい?」「このおもちゃどうしたいの?」などお話ししてみようと提案してみました。
長男はすぐに実践してくれて、弟に対して話しかけながら遊んでくれるように。次男は相変わらず手が出てしまうこともありましたが、徐々に2人で遊ぶのがうまくなっていきました。
それから数年後…思いがけない効果が!
それから数年が経ち、兄弟はすっかり仲が良くなり、次男が長男に怪我をさせることもなくなりました。長男とそんな話をしたこともすっかり忘れていたのですが、長男の担任の先生から思いがけない話を聞きました。
クラスでお友だちが発表しているとき、うまく続きが言えない子がいると、長男が「それからどうしたの?」と話しかけるというのです。先生はとても喜んでいて、「どうしたらそんな風に育てられるんですか?」と聞かれ、次男がうまく話せない時期のことを思い出しました。
恐らく本人はもうそのころのことは憶えていないと思うのですが、「聞いてみる」ということが長男のなかで定着しているのだなあと感じてとてもうれしくなりました。兄弟喧嘩は本当に心配でしたが、成長していくうえで必要なステップだったのだと今は思っています。
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監修/助産師 松田玲子
著者:田丸あかね
現在、小学校2年生と幼稚園年長の兄弟を子育て中。性格の違う子どもたちの成長を楽しみつつ、自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。