「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【専門家に相談】の掲示板。そのなかから特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は乳児湿疹に関するご相談です。
Q.乳児湿疹がひどくて心配です。
生後1カ月になる女の子を育てていますが、乳児湿疹がひどくて心配です。新生児訪問で、保健師さんからお母さんのホルモンの関係で乳児湿疹が出やすいと言われました。小児科の先生には、お湯で濡らしたガーゼで朝昼晩拭き、アズノールを塗り、ひどいところはイソジンで消毒後、テラコードリルを塗るように言われています。
今、朝昼晩温かい湯で濡らしたガーゼで 一度顔全体をふき、アズノールをつけているのですが、ガーゼで拭き取ることが刺激にならないかなと思いながらしています。続けていいものでしょうか。
1人目の子があまり乳児湿疹がなく、そのときと食べたものとかホルモンバランスとかが違うのかなあと思っています。食事など私が気をつけないといけないことはありますか。
高杉絵理助産師からの回答
小児科で診てもらって、お手入れについても教えてもらっているのですね。その後湿疹が広がってきたり、赤みがひどくなってくるご様子はありますか? じゅくじゅくしてくる感じがあったり、赤みがひどくなるようでしたら早めにまた受診されることをおすすめします。
赤ちゃんのお肌はデリケートで敏感です。免疫力も弱いので日常よくある細菌にも感染しやすいです。早目にお薬を使うことで治癒するのも早くなります。沐浴のときにはたっぷりの泡でママの手を使ってお顔もしっかり洗ってあげましょう。2〜3回洗ってあげても大丈夫です。ガーゼで擦って拭き取らずにシャワーで流してあげるといいですよ。ガーゼで拭くときはあまり強く擦らずにやさしく拭いてあげれば大丈夫ですよ。
乳児湿疹はママのおなかの中にいたときのホルモンの影響なので、質問者さんの今の生活が影響しているということではありませんよ。ご安心くださいね。
今の治療が合えば1週間もすればかなりきれいになってくると思いますが、乳児湿疹ではなく他の可能性もあるので、今小児科で教わった通りにケアしていただいて、それでも改善する様子がなければ再度受診されることをおすすめします。
※参考:ベビーカレンダー「専門家に相談」コーナー
※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください
乳幼児湿疹とは?
乳児湿疹とは、新生児期から乳児期に起こりやすい湿疹をともなう皮膚トラブルの総称です。現れる症状は、カサカサした湿疹や赤みを帯びた湿疹、黄色くてジクジクとした湿疹などがあります。ほとんどの場合、生後数日から、皮脂腺が多いとされる部位を中心に現れます。
正しくケアすれば、一過性で終わることが多いですが、なかには湿疹が慢性化してしまい、アトピー性皮膚炎に発展したり、ひっかくことで傷ができて、そこから細菌感染したりする可能性があるため注意が必要です。
乳児湿疹の分類とそれぞれの原因
乳児期に現れる乳児湿疹には、原因によって分類することができます。主な湿疹は次の4つです。
■乳児脂漏性(にゅうじしろうせい)湿疹
新生児期から乳児期初期ごろの月齢が小さい子どもによくみられる湿疹で、母親からのホルモンの影響で皮脂の分泌が多くなるために起こり、頭部や額などに現れやすいのが特徴です。湿疹部分はニキビに似た状態で、黄色いかさぶたのようなものがついているという特徴があります。
■乳児乾燥性湿疹
軽度な皮膚の乾燥によってかゆみがあり、ひっかくことでできる湿疹が乳児乾燥性湿疹です。皮膚が乾燥しているとバリア機能がとても弱くなるため、外部からの刺激に対するアレルギー反応が強く出ることで、さらに悪化することもあります。
■乳児汗疹性(にゅうじかんしんせい)湿疹
夏場など、汗をかきやすい時期に生じやすい乳児汗疹性湿疹は、汗疹(あせも)と呼ばれます。赤みを帯びた湿疹が特徴で、かゆみが強く、ひっかくことによって悪化し汗疹の状態が続くことでさらに症状が悪化するという悪循環が起こりやすい湿疹となります。
■おむつかぶれ
おむつをはいている部分にできる湿疹で、主な原因は尿や便がおむつの素材と混ざり合うことで刺激物となることですが、ゴムの圧迫や紙おむつの材質、繊維などの刺激が原因となる可能性があります。
乳児湿疹の治療と予防効果のある対処方法
乳児湿疹は適切な治療をおこない、じょうずに対処することで早く治すことができ、予防もできます。
■治療方法
肌の乾燥やかゆみがひどくならないよう、保湿剤で皮膚をよい状態に戻す治療が一般的です。症状がひどい場合はステロイド外用剤を使うこともありますが、軽度な湿疹であれば、日々のスキンケアの改善や保湿剤だけで皮膚の状態が改善できることもあります。
■予防効果も期待できる対処方法
乳児湿疹は、赤ちゃんの肌を清潔に保たれていないということも原因としてあげられます。また、乾燥の予防が目的の保湿剤の量が十分でなく、日々のスキンケアも正しくできていないことも乳児湿疹が起こる原因と考えられています。
それぞれ正しい方法をマスターし、症状の改善や予防を心がけることが大切です。
<赤ちゃんの肌の洗い方>
赤ちゃんの肌を洗うときのポイントは、次の7つです。
・せっけんはよく泡立て、やさしく手で洗う
・洗い残しやすい部分を意識して洗う
・せっけんをしっかりと流す
・お湯はぬるめ
・水分は押さえるようにしてふく
・脇や首などは伸ばして洗うようにする
・長湯はしない
固形のせっけんの場合、泡立てネットなどを使用してよく泡立て、キメの細かな泡を作ったら、肌を泡でくるむように洗っていきます。洗い残しやすいおでこの生え際、後頭部、鼻、耳の周り、首回り、四肢のくびれやしわ、手の指先などは特に丁寧に洗いましょう。
低刺激なせっけんを使っていてもきちんと流せていなければ、湿疹の原因になってしまいます。洗ったあとは、お湯で泡をきれいに流しましょう。お湯は、熱すぎると刺激となり、余分な皮脂まで落としてしまうため、39度前後のぬるめのお湯でしっかりと流すのがポイントです。
水分が残っているということも湿疹の原因になることがあるため、洗い終わったあとも肌を傷つけないようゴシゴシせず、タオルでやさしく押さえるようにしてふきましょう。
<保湿剤を塗るタイミング>
医師から指示があれば指示に従って塗る必要がありますが、特に指示されていない場合は、着替えのタイミング、濡らしたガーゼタオルでやさしく汚れをふき取ったあとや入浴後に塗るのがおすすめです。
<保湿剤の塗り方>
赤ちゃんの肌は大人の肌よりも薄いため、少しこするだけでも刺激となります。保湿剤を塗る際は、すりこむのではなく、やさしく伸ばすイメージで塗っていきましょう。
<生活環境や衣服>
生活環境や着ている服がかゆみや湿疹を助長してしまうことがあるため、日常生活においては次のことに気をつけましょう。
・清潔な環境を心がけ、温度や湿度にも気を配る
・爪をこまめに切る
・赤ちゃんを抱っこする人もチクチクする素材の服は避ける
乳児湿疹は、正しくケアすることで症状が早く改善し、やわらぐこともあります。そのため、気づいたタイミングで病院を受診して正しいケアをすることが大切です。
皮膚トラブルが悪化させないためだけでなく、きれいな赤ちゃんの肌を守るためにも、スキンケアや予防のポイントをマスターし、乳児湿疹が起こりにくい状態を保つようにしましょう。
※参考:基礎知識(ベビー)「赤ちゃんの湿疹(乳児湿疹)の原因は?対処法と予防法について」【監修者:医師 TANI先生 小児科 | 小児科医】
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