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羊水は赤ちゃんの〇〇!?意外と知らない羊水の秘密

この記事では、助産師のREIKOさんが、おなかの中の赤ちゃんには欠かすことのできない羊水についてお話しています。羊水って実は……!?

出産間近の妊婦さんのイメージ

 

こんにちは! 助産師のREIKOです。“自分のお産は破水から始まった”という方以外に、自分の羊水を実際に見たことのある方はどのくらいいらっしゃるでしょうか? 羊水ってただのお水ではないんです。今回は、おなかの中の赤ちゃんには欠かすことのできない「羊水」についてお話します。

 

なんで「羊」水?

おなかの中の赤ちゃんを包んでいる膜(卵膜)は3重構造になっています。赤ちゃんにいちばん近い膜が「羊」膜です。妊娠初期はその羊膜や赤ちゃんの皮膚から羊水は作られます。

 

ヒトの体のことなのに、どうして「羊」という文字が使われているのでしょうか?諸説あるようですが、羊膜は英語で「amnion」、その語源はギリシャ語の「amnos(子羊)」に由来するところから「羊」の文字が使われたとか。

 

羊水の働きって?

羊水にはいろいろな働きがあります。

 

外からの衝撃をやわらげる

羊水があることで、万が一ママがおなかをぶつけても、クッション代わりになってくれます。

 

赤ちゃんの肺の成熟を促す

赤ちゃんは羊水の中にいるので実際に呼吸をすることはできませんが、羊水を肺の中に入れたり出したりする動きをしています。それを繰り返しおこなうことで赤ちゃんの肺は成熟していきます。

 

赤ちゃんの筋肉や骨の発達を促す

おなかの中に羊水があることで、空間ができます。そうすると赤ちゃんが動くスペースができ、たくさん動くことができるようになります。たくさん動いて、筋肉や骨が発達していきます。ちょっとした筋トレですね

 

羊水って実は……!?

先ほど、羊水は妊娠初期では羊膜や赤ちゃんの皮膚からつくられるとお話ししました。しかし、妊娠中期以降になると、羊水のほとんどが赤ちゃんのおしっこに由来するようになるのです。

 

「え! 赤ちゃんっておしっこの中にいるの?」と思うかもしれませんが、赤ちゃんは羊水を肺の中に取り入れるだけでなく、飲み込んでもいます。そして、おしっこにして出しているんです。

 

羊水に含まれる老廃物は赤ちゃんが飲み込んだ羊水から、小腸、血液を介し、へその緒、胎盤経由でママへ行くので、おなかの中の赤ちゃんがするおしっこには老廃物は含まれていないんですよ。

 

羊水からわかることいろいろ

赤ちゃんを守り、発達を促す羊水ですが、そのほかにも羊水は医療者にいろいろなことを教えてくれます。

 

たとえば、出生前診断のひとつ、羊水検査では赤ちゃんの染色体を調べることができます。羊水の量が多すぎたり少なすぎたりする時には、赤ちゃんの消化管や腎臓などに何か問題がある場合もあります。

 

また、正常な羊水は透明~白濁ですが、赤ちゃんが苦しいサインを出しているときには、黄緑色~緑色になります。これ以外にもいろいろなことがわかります。

 

 

赤ちゃんがおなかの中で成長していくには、おなかの中の環境がいいことが大切です。そのためにはママが健康でいることが必要になります。病気を持っているママはダメということではありませんよ。「よりよく」という気持ちが大切です。


医療短期大学専攻科卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。

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