シミにならない、増やさないために気を付けたい生活習慣の1つ、スキンケアの仕方について皮膚科医の馬場直子先生に教えていただきました。シミ撃退の基本となる、紫外線ブロックのための日焼け止めの選び方と使い方、メラニン生成を抑制する美白成分の入ったコスメについて、具体的に指南します!
シミの最大の敵!日焼け止めで紫外線防止
まずは、紫外線からのダメージを少しでも回避できるような日焼け止めの選び方と使い方を紹介します。
季節や生活シーンに応じて日焼け止めをチョイス
日焼け止めやUVカットをうたっている化粧水や美容液などにはSPFやPAと表記されているものが多いですが、これはある一定の紫外線に対する日焼け効果を示したものです。
SPFはメラニン色素の生成を促すUVBという紫外線、PAは肌の弾力を低下させて、シミやたるみの原因となる紫外線UVAからどのくらい肌を守ることができるのかを数値で表したもの。肌荒れや乾燥することがあるので、むやみに高い数値を選ぶ必要はありません。どのような環境でどのくらいの時間、太陽光を浴びるのかを想定して選択しましょう。日常生活程度ならSPF10、PA+程度で十分です。
●SPFとは…Sun Protection Factor(サンプロテクションファクター)の略。紫外線の一種UVBによって日焼けして肌が赤くなることを防止します。数値は1~50+まであり、例えばSPFの数値が25だった場合、何も塗らなかった場合より25倍(※何倍するかは肌の色で違いがあり、普通肌なら25倍ですが、色白の場合は20倍、色黒なら30倍程度が目安になります)だけ長い時間、肌が赤くならず、日焼けを起こさないという意味です。
例:
普通肌の場合:SPF25×25分=625分、SPF40×25分=1000分
色白の場合:SPF25×20分=500分、SPF40×20分=800分
色黒の場合:SPF25×30分=750分、SPF40×30分=1200分
●PAとは…Protection Grade of UV-A(ブロテクショングレイオブUV-A)の略。紫外線の一種UVAをカットする効果を表しています。PAの表示には、+(効果がある)、++(かなり効果がある)、+++(非常に効果がある)、++++(極めて高い効果がある)の4段階があり、+の多い方が効果が高くなります。
肌の色味だけでなく、肌が弱い人や乾燥肌の人、肌荒れしているときなど、肌が弱っていると紫外線の影響を受けやすいので、その場合はしっかり紫外線対策をしてください。
しかし、通常の紫外線吸収剤を配合した日焼け止めは、SPFが高くなるほど肌に負担がかかり、肌が乾燥しがちになるので、保湿ケアもしっかりおこなうことが大切です。
紫外線を浴びやすい部位には念入りに塗って
紫外線を浴びやすい顔の部位は頬や鼻のあたり。おでこやこめかみなども要注意。それらの部分にはしっかり日焼け止めを塗るようにしましょう。日焼け止めを重ね付けすると効果的に紫外線を防ぐことができます。
美白成分配合の美容液でシミを目立ちにくく
美白成分の入ったコスメを使うことでシミのケアにメリットがあるのか、美白成分とはどんなものがあるのかを紹介していきます。
シミ対策のための美容液を選ぶ場合、パッケージなどに「美白」の表記があるものがおすすめ。美白という表記は国が認めた美白成分を配合した医薬部外品のみに許可されているため、この表記があればシミに効果的な化粧品と言えます。
シミ予防にはアルブチンやトラネキサム酸配合、
シミを薄くするにはメラニン排出成分入りが◎
シミを予防するにはメラニンの生成を抑制する効果が期待できる、アルブチンやプラセンタ、トラネキサム酸配合のコスメがおすすめ。今あるシミを薄くしたいのであれば、メラニンの排出を促進してくれる、エナジーシグナルAMP、4MSK、リノール酸S配合のものを選びましょう。
シミ予防とシミを薄くするというWの効果が期待できるのが、ビタミンC誘導体。美容液のなかにはビタミンC誘導体ではなくパルミチン酸アスコルビルリン酸3Na(APPS)、3-O-グリセリルアスコルビン酸(3GA)など表記されていることがあります。
また、できたシミを確実にケアしたいのであれば、皮膚科で処方されるハイドロキノンが◎。美白効果は先に挙げた成分と比べて数十倍以上とも言われています。ただし、刺激が強いので、肌に合うか確認してから使うようにしましょう。
まとめ
シミ対策の基本となるのがスキンケア。日焼け止めを使って紫外線対策を万全にしましょう。シミができないよう、できたシミを薄くしてくれる美白剤を使うのもおすすめです。日焼け止めのなかでもSPF値が高いものは肌の乾燥を招くことがあり、高保湿成分の入った化粧品と併用するのも◎。高保湿成分にはセラミド、ヒアルロン酸、コラーゲンなどがあります。
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取材・文:杉田リエ
大学生と高校生の母。第二子出産を機にフリーライターに。46歳のとき社会福祉士の資格を取り、ケースワーカーとして社会復帰。現在の悩みは教育資金と心&体の健康。愛猫の姿に癒やされている。