私がいた職場は、生理痛や女性特有の疾患に理解がない、モラハラ&パワハラのオンパレード。負けず嫌いな性格も災いして、一時は休日返上で出勤もしましたが、そんな環境下で、体の異変を顧みずに働いた私の顛末をお話しします。
生理痛は薬で何とかしろ!というモラハラ&パワハラ職場
私は、新卒入社から10年目を迎えるころ、店舗責任者兼エリア責任者の中間管理職に就きました。職場の管理職は男性ばかりで、モラハラ&パワハラ体質の風潮が……。生理痛への理解も、薬で何とかしろという感じでした。ストレスはMAX、生理不順は当たり前という状況のなか、私は、一番売上の悪い店舗への異動を命じられました。
負けず嫌いの私は、今いる店舗の売上を月間1位にしてから異動してやろうと、異動前の1カ月を休み返上でフル出勤することに。ちょうどそのころ生理が始まったのですが、いつものような出血ではなく、ダラダラと茶色い出血が続くだけ。おかしいなと思いながらも仕事をしていました。
大学病院で検査中に大量出血で失神!! それでも考えるのは仕事のこと
心身ともにズタボロになりながら異動前の最終出勤日を終え、翌日からの2連休に、私は気になっていた生理症状を診てもらおうと、婦人科のあるクリニックを受診。すると判明したのは、なんと子宮外妊娠! すぐに紹介状を持たされ、翌日、大学病院を受診することになりました。
大学病院でさまざまな検査をしている最中、私は突如、大量出血! 気を失ってしまいました。
目覚めると、私はたくさんの管につながれてベッドの上にいました。医師からは、「子宮外妊娠で、卵管が破裂したようです。とても危険な状態です。今日、ここにきていなかったら命を落としていたでしょう」と言われ、そのまま緊急手術となりました。
ただ、このとき私の頭の中は、翌日の仕事の段取りや、上司に怒られる、私が動かなかったら誰がやるの?ということばかり。手術後、明日仕事に行ってもいいかと尋ねたときの、担当医と看護師のビックリした顔は今でも忘れません。
仕事を遮断したことで、ようやく置かれた環境の異常さ気づく
その後、私は、カウンセラーと話をすることに。強いストレスがなかったか? 生理不順や体調不良、以前から判明していたPMS(月経前症候群)での受診をなぜしなかったのかと問われて話をするうちに、自分がどれだけ精神的に追い詰められていたのかがわかりました。そして「もっと体を大事にしてね」と言われてしまいました。
その後、私は退職を決意。術後の経過観察が少し長引いたのと、ほかの体調不良を訴えたことによる経過観察があったため、手術をして治療が完了するまでは約半年ほどかかりました。
あのころの私は、負けたくない気持ちが強く、何が異常なのかの判断が鈍るほど仕事人間になっていたのだと、仕事関係をすべてシャットアウトしてから気がつきました。自分を守れるのは自分。生理だけではなく体の変化、不調をそのままにせず、病院に相談、検査等をして心配や不安を取り除くことも大事だと知れたいい機会でした。
そんな私も今は出産をして2児のママ。仕事復帰はまだですが、私と同じように苦しんで闘っている人がいるなら助けたいと、カウンセラーのような仕事もしてみたいと考えています。
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監修/助産師REIKO
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文/結城紫苑さん