子どもが大きくなってくると、幼稚園に通わせるか、保育園に通わせるか、迷ってしまう人もいるのではないでしょうか。なんとなく「働くママは保育園」というイメージはあるけれど、そもそも幼稚園と保育園はなにが違うのでしょうか?
幼稚園は教育の場、保育園は生活の場
幼稚園と保育園の大きな違いは、子どもを預かる目的です。幼稚園は、文部科学省の管轄する「教育施設」で、小学校に上がる前の子どもが“教育を受ける場”という位置づけ。一方、保育園は、厚生労働省の管轄する「児童福祉施設」仕事や病気といった事情で子どもの保育ができない親に代わって子どもを“保育する場”となります。
そのため、幼稚園は決められた年齢になればだれでも入園できますが、保育園は親が家庭で保育ができない事情がなければ、入園の許可がおりないことがほとんどです。
共働きでも幼稚園に通わせるには?
幼稚園といえば、帰宅時間が午後2時ごろと早く、夏休みや冬休みもあります。また、運動会など、園の行事は基本的に保護者会が主体となって行うため、役員になると平日に園に足を運ぶ回数が増えます。そうした理由から、ひと昔前までは「幼稚園=専業主婦」というイメージがありましたが、最近は変わってきています。
預かり保育や習い事に申し込むことで夕方まで預かってくれる園が増え、共働きの家庭でも通わせやすくなりました。また、幼稚園と保育園の機能を併せ持つ「認定こども園」も登場し、親の就労に関係なく申し込むことができるため、共働きではない家庭にも選択肢が広がりました。
幼稚園と保育園、学力の差はつくの?
「幼稚園に通っている子と、保育園に通っている子では、小学校で学力に差が出るのでは?」と心配する声をよく聞きます。確かに幼稚園は“教育の場”という位置づけではありますが、園によって教育方針はさまざまです。文字の読み書き、計算、外国語など勉強に力を入れる園もあれば、遊びを重視してあえて勉強はしないという園もあります。
一方、保育園でも英語や体操など習い事を取り入れている園もあり、一概に「保育園だから」「幼稚園だから」ということだけで、学力に大きく差がでることはないと考えられます。むしろ、小学校に上がる前は家庭での関わりのほうが重要。ひらがなやカタカナの読み書きは親が教えてあげれば、幼稚園や保育園に頼らなくても身につくものなので、「保育園だと勉強が遅れるのでは」と心配はしなくてもよさそうです。
いかがでしたか? 幼稚園と保育園では目的が大きく異なるものの、昔ほど違いがなくなってきたように思います。心配な“学力の差”も、小学校に上がった先輩ママたちに聞くと、「ほとんどない」とのこと。幼稚園と保育園のどちらがいいか、家庭環境や教育方針と合わせてじっくり考えてみましょう。(TEXT:妹尾香雪)