娘を連れて行くのが嫌だった
それは娘が生後3カ月のときでした。ようやく首がすわってきたころですが、もちろんまだおすわりはできません。私の義母は車で40分ほどのところに住んでおり、頻繁には行かないものの、お盆やお彼岸、お正月などのイベント時には顔を出していました。
義母は猫を飼っているのですが、猫が外から帰ってきても足を拭かずにそのまま部屋を歩かせています。もともと義母は掃除嫌いであることも重なって、部屋は猫の毛とホコリでひどい状態でした。
そんな部屋に娘を連れて行くのが嫌で、夫に部屋の掃除をしてもらってから娘を連れて行くという状態。夫も義母にひと言、「娘が行くから掃除しといて」と言えばいいものを、言わずに黙って自分が掃除をする光景は私には不可解でした。
自分の指を吸わせてる!?
ある日、掃除をし終わった部屋に娘を寝かせていると、義母が離乳食の話をしてきました。「生後3カ月で離乳食はまだ早いですかね〜」と話すと、「水は飲めるの?」と聞いてきます。「お風呂上がりに母乳を飲ませています」と話すと、なんと次の瞬間、衝撃的な出来事が起こりました。
義母は水が入ったコップの中に指を入れ、その指についた水を娘の口の中にポタポタと垂らして入れているのです! あまりにも衝撃的で声すら出ず、しばらく固まってしまいましたが、その間にも今度は義母が自分の指を吸わせ始めました。
生後3カ月の赤ちゃんは反射で口に入ったものは何でも吸ってしまいます。急いで娘を抱き上げましたが、義母は悪びれる様子もなく笑っているだけ。
驚いてるのは私だけ?
その後は訪問するたびに気をつけていたのですが、私がトイレに行っている間にきゅうりの漬物を吸わせているときもありました。離乳食開始前の話です。夫はそんなにびっくりする様子もありません。3人の子どもを育て上げた大先輩である義母ですが、世代間のギャップなのか、とにかく私には衝撃でした。
そのころは結婚して数年しか経っておらず、私もなかなか言いたいことが言えませんでした。しかし今では義母との距離感もわかり、子どもたちが大きくなったこともあって、以前ほどストレスを感じることも少なくなってきました。
「昔の常識、今の非常識」ということなのかもしれません。義母の時代には当たり前のことだったのかどうかわかりませんが、将来自分が義母になったときに自分の常識を人に押し付けるのはやめようと思いました。
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イラストレーター/みいの
著者:ショコラ
12歳、8歳の2児の母。現在はパートタイムで医療機関で働いているが、ゆくゆくはフルタイムでガッツリ働く姿を子どもたちに見せようと思っている。