おしゃれして楽しいデート!のはずが…
20歳のとき、お付き合いしていた1つ年上の彼と、下宿先近くの大型ショッピングモールへ遊びに行ったときのことです。その日は春らしい淡いベージュのズボンをはいて、ルンルン気分で彼とのデートを楽しんでいました。
2人で互いの服を選んだりランチをしたりして過ごしたあと、ずっと楽しみにしていたアニメ映画を鑑賞。感動のラストに涙を流し、すっかり満足したあとに悲劇は起こりました。
彼にSOS「替えのズボンを買ってきて」
映画を見終わって席を立ち上がったとき、おしりから太ももにかけてひんやりとした嫌な違和感がありました。椅子は汚れていなかったものの、まさかと思い、急いでトイレに駆け込んだところ、予想通りページュのズボンが自分の血で真っ赤に。
こんな恥ずかしい姿で外に出られない!と思った私は、泣く泣く彼に「ごめん! 生理でズボンが汚れちゃってトイレから出られない。何でもいいから、替えのズボンを買ってきてくれないかな?」とメッセージ。SOSから20分ほどで、彼は急いで私のズボンを購入してきてくれました。
やさしさに感動した直後…そのセンスに愕然
女子トイレの入り口でこっそり紙袋を受け取り、再び個室へと避難。「生理でズボンを汚してしまった彼女のために、走って替えのズボンを買ってきれくれるなんてやさしい彼氏なんだろう」と彼の思いやりに感動していた私ですが、個室で紙袋の中身を確認し、思わず硬直してしまいました。
なんと彼が買ってきてくれたのは、ヨレヨレでねずみ色をした「THE・おじさんの家着」のようなズボンだったのです。さらになぜか大きさもメンズ用のXL。
彼いわく「入らなかったら困ると思った」そうですが、ぽっちゃり体型とは言え、身長153cmの私にはあまりにもオーバーサイズでした。違う意味で「はきたくない!」と思いましたが、汚れたズボンよりはマシだったので、渋々おじさんパンツに足を通しました。
灰色のズボンを着用後、トイレから出ると私の姿を見た彼が、あまりのシュールな姿に思わず大爆笑。「あなたが選んだんでしょ!」と思いましたが、それでも彼女の生理に嫌な顔1つせず、急いで対処してくれた彼はとても良い人だったなと思います。
その後、映画館の椅子は汚れていなかったものの、映画館のスタッフに事情を説明。「大丈夫ですよ」と言っていただけてホッとしました。この事件を通して、生理中に明るい色のズボンをはくのは危険ということを、身を持って痛感したのでした。
著者/鮭いくら
イラスト/すうみ
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